折口 真喜子著 月虹の夜市 日本橋船宿あやかし話
「お涼」は、三十過ぎの船宿の女主人である。伴侶となる旦那がいるわけではない。正確には人の夫はいないが、十二のころに得体のしれない何かと祝言をあげたことがある。その神は「サルタヒコ」と呼ばれているらしい。
そんなことがあったせいなのか、元来の性質なのか、他の人が見たり聞いたりしないものによく気付く。
そんなお涼の友達や、周りに集まる人たち、両親のことが、やや不思議な話が語られていく。
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