2014-08-01から1ヶ月間の記事一覧

すかたん

朝井まかて 著 すかたん 面白いです。 大坂の商家を、江戸からきた 智里 の目を通して描いている。 智里 の亡き夫、三好数馬は美濃岩村藩の江戸詰め藩士で、文化三年、藩主、松平乗保公の大阪城代赴任に伴って上屋敷御側用人のお役を頂戴した。妻子同伴を許…

我慢ならない女

桂 望実 著 我慢ならない女 初めは読みづらいですが、そのうちに面白くなりました。 作家としての「業」を描いている。岩淵晴子と作家である叔母の樺山ひろ江の話である。晴子は叔母を支えながら、側面から絶えず作家を看ている。作家として売れない時期、一…

月に捧ぐは清き酒-鴻池流事始-

小前 享 著 月に捧ぐは清き酒-鴻池流事始- 1571年に 山中新六 は生まれる。両親の顔は知らない。父親は尼子家に仕えた山中鹿介 である。叔父の信直に育てられる。信直は荒木村重に仕えていたが、宮仕えに嫌気さし隠居していた。そして摂津伊丹の鴻池村に落…

敬恩館青春譜 -1- 君がいれば

米村圭伍 著 敬恩館青春譜 -1- 君がいれば 幻冬舎 時代小説文庫から出ています。 千歳藩の僻村で 大月寅之助と矢島小太郎は、安達尽斎が教える手習い所に通っている。寅之助は元服前だというのに背丈は五尺を越え、体つきもがっしりしているが、学問には全…

燦 -5-氷の刃

あさのあつこ 著 燦 -5-氷の刃 大変面白いです。読みだして前作の 燦-4-炎の刃 がなかなか思い出せなかったが、思い出すとどんどんと読みすすむ事ができる。あっという間に読み終える。短すぎる。 一冊あたりの文字数、ページ数が少なすぎる。1.5倍…

還れない風景

篠田節子 著 還れない風景 オール讀物 5月から連載されている 還れない風景 です。今で4回です。何回続くのでしょうか。面白いです。 富岡 碧 の父親がフェリーからの転落事故で、行方不明になってから四日目に遺体で見つかった。遺体確認して警察から帰っ…

狐野扶実子のおいしいパリ

狐野扶実子 著 狐野扶実子のおいしいパリ 筆者の書籍を読むのは二冊目です。彼女の経歴はそちらを参考にしてください。 本書はパリで、筆者が通っていたり、友人であったりするおいしい店の案内ガイドです。 実際パリに行こうと思っている人にはすごく役に立…

警視庁情報官~ブラックドナー~

濱 嘉之 著 警視庁情報官~ブラックドナー~ 本シリーズも第四作目である。第一作目から比べると説明調なところは少なくなり、こなれていきており、小説らしくなっている。 警視庁総務部企画課情報室室長であり、総務部の筆頭理事官である 黒田純一警視は休…

甘いもんでも おひとつ -藍千堂菓子噺-

田牧大和 著 甘いもんでも おひとつ -藍千堂菓子噺- 穏やかに始まりますが、それなりにジワッと読書感があります。 また、各章ごとに、表題、内容に添った、素晴らしい表紙、が付いています。 「百瀬屋」という菓子店の晴太郎は、父親が亡くなり、父親の後…

結婚

橋本 治 著 結婚 古屋倫子は二十八歳、倫子の結婚に関する思索である。徒労に終わるのは倫子に結婚を考える相手がいないからで、そのためグリグリ回りをする。 倫子の同僚 大橋花蓮 二十七歳、共に教師をしている倫子の両親、結婚したばかりの兄夫婦、この人…