2014-12-01から1ヶ月間の記事一覧
奥山景布子 著 稽古長屋 音わざ吹き寄せ しり上がりに面白くなります。 「清住音四郎」は、四年前まで「萩野鶴之助」の名で女形として芝居に出ていた。足を怪我して、芝居が出来なくなり、今は長唄の稽古屋の師匠である。父親違いの妹「お久」、お手伝い「お…
上田秀人 著 悪血(表御番医師診療禄 -4- ) 著者の悪癖である、繰り返しが相変わらず多い。 『お城坊主は城中の雑用一切を担当する。厠への案内から、湯茶の準備まで、お城坊主なしでは、百万石の前田であろうが、なにもできなかった。またお城坊主は城中の…
碧野 圭 著 辞めない理由 本書が、著者のデビュー作。文庫本は2009年10月初版、単行本は2006年5月が初版発行である。文庫本化にあたり大幅に改稿しましたとあります。 著者は女性の心理についてうまく表現する人だなと思っていました。巻末の解説を読むまで…
大沢在昌 著 新宿鮫 風化水脈 面白いし、読み応えがあります。一頁あたり、920字で440頁です。文庫本3~4冊分に相当します。あさのあつこ の『燦 4 炎の刃』は何文字か調べようと思ったのですが、何処にあるかわからず、出てきたら追記します。 全国二十六…
北原亜以子 著 化土記(けとうき) この処、女性作家が続いています。筆者は、『深川澪通り木戸番小屋』、『恋忘れ草』(93年直木賞)、『慶次郎縁側日記』等の作品があります。本書は2001年4月~2002年4月まで新聞に連載され、2004年11月に単行本化されまし…
あさのあつこ 著 花や咲く咲く 筆者の文章には特徴がある。例えば、 『相手のちょっとした仕草に、物言いに、顔つきに、冗談に、噴き出してしまう。 そして、しゃべる。とめどなくしゃべり続ける。そして、また、笑ってしまうのだ。 止まらない。』 一つの行…
梶 よう子 著 桃のひこばえ(御薬園同心 水上草介-2-) 本書は、御薬園同心 水上草介 シリーズの第二巻目である。ほのぼのとした読書感である。 前作を読んでいなくても問題はない。小石川御薬園の西側の御薬園預かりを代々務めている芥川家。この御薬園同心…
宇江佐真理 著 昨夜みた夢(口入れ屋おふく) 宇江佐真理 は私の大好きな作家です。この人の連作は、一篇づつ読み終わるたびに胸がいっぱいにになり、そして温かい気持ちになります。なかでも「名医」、「三日月」が良かったです。 おふく は一度結婚をして…
杉江 弘 著 マレーシア航空機はなぜ消えたか 2014年3月8日マレーシア機は消息を絶った。その行方はいまだに判っていない。判明しているのは、マレーシア ナジブ首相の会見「インド洋南部に墜落し、生存者はいない」「燃料切れで失速」と言うだけで、物的証拠…
佐々木譲 著 暴雪圏 解説を見て知りましたが、川久保篤巡査部長シリーズの二巻目で、第一巻は「制服警官 捜査」です。これ以外に 北海道警察シリーズ 、安城家シリーズ 、休職警官・仙道孝司シリーズ「廃墟に乞う」(これは直木賞受賞作)があります。 北海…
吉本ばなな 著 不倫と南米 ブエノスアイレスにちなむ短編集です。標題とおり、女性が主人公の男女間の話です。連作ならもっと良かったと思いますが。独特の世界がある小説集です。すぐに読み終わりますが。 単行本で読みました。写真がとっても良いです。 ✰ …
辻井南青紀 著 縁結び仕り候 -結婚奉行ー 「桜井新十郎」は若年寄支配になる御手先組で同心として働き、勤めを重ね、火盗改では一、二を争うほどに練達していた。 ところがこの春に、上役の御手先頭、「加賀山豊国」から新たなお役目を拝命した。そのお役目…
熊谷敬太郎 著 華舫 慶応四年、東征軍に追われている振武軍の残党二人兵は、川越新河岸の回漕店の「綿貫利左衛門」に騙され命からがら逃げだす。この二人を助けて千住大橋をやり過ごした鐘ケ淵まで船で送ったのは「川越旭屋 政兵衛」であった。 そして、十年…
上田秀人 著 遺臣 (百万石の留守居役 -4-) 筆者の文庫本書下ろしシリーズの中で、一番面白いと思う。筋書きの展開が興味深い。これで、筆者の悪癖である、「繰り返しが多い」、「一度書いた事を何度も繰り返し書く」が無ければもっと良くなる。本書では、…
HomeLand シーズン4 第6話です。 「ブロディ」との子を姉に預けたまま、イスラマバードのCIA支局長として赴任している「キャリー」は前CIA支局長が得た情報に基づき攻撃したテロ組織のボス「ハッカニ」が生存しているのを知る。その甥「アーヤン」を協力者…
大沢在昌 著 暗黒旅人 「新宿鮫」で有名な大沢在昌の作品である。「本当に売れない本で困っているです」と筆者が語っていると巻末の解説に書かれています。 解説に書かれていた筋書きをそのまま記します。 小説家志望の「御岳」と女優の卵の「由子」は、共に…
上田秀人 著 色里攻防(妾屋昼兵衛女帳面ー7-) 妾屋 山城屋と吉原の戦いの続きと結末である。(と思われる。) 筆者の作品としては、かなり下のランクである。相変わらず繰り返しが多い。筋書きが安易。この内容では、再読は無いし、購入もあり得ない。 ✰…
中脇初枝 著 みなそこ あるひと夏、少年と、その母親と同い年の女性との淡い恋の話です。 山奥の小さな部落へ、娘「みやび」を連れて、毎夏、里帰りする「さわ」は、ピアノ教室の教師である。みやびは小学四年生である。さわの夫「智彦」は小学校の教師であ…
葉室 麟 著 風花帖 葉室 麟 の小説は、主人公が転落して行くのが、読者に判るように書き進めて行く特徴があるようだ。本編も主人公である九州・小笠原藩・勘定方印南新六が切腹して戻ってくる所から始まる。新六の屋敷の門前では書院番頭菅源太郎の妻吉乃が…
久坂部 羊 著 モーツァルトとレクター博士の医学講座 標題に惹かれて借りる。 筆者は外科医、麻酔科にもしばらく所属、外務省に入り、日本大使館の医務官で海外赴任、その後デイケアのクリニックを経て、現在は在宅医療のクリニックに勤務し、医療小説を書き…
田牧大和 著 半可心中(濱次お役者双六 -4-) 濱次お役者双六の第四巻目です。第一巻の 花合せ は読んでいますが、二巻目、三巻目は未読です。登場する人物に覚えがあり、調べると第二巻目、三巻目のあるのが判りました。 主人公 梅村濱次 大部屋の女形、「…
五十嵐貴久 著 六つの希望(吉祥寺探偵物語-3-) 吉祥寺探偵物語シリーズの第三巻です。今回は主人公 川庄篤史 がバイトしているコンビニに、銃で武装しヘルメットをかぶった六人組に占拠される。店員五名を含めて三十八人が人質になる。六人組は警察に五つ…
羽太雄平 著 竜の見た夢 本書は、「本多の狐」の続編である。登場人物はほとんど同じである。残念ながら、「本多の狐」ほど面白くない。 前作の終了時点、おしろが島原へ出発する所であった。本書は、すでに島原の乱は終わっていて、おしろは、本多の狐、与…