2015-01-01から1ヶ月間の記事一覧

狼花 -新宿鮫 Ⅸ -

大沢在昌 著 狼花 -新宿鮫 Ⅸ - 新宿鮫 第九巻目です。これは面白かったです。先日読んだ 炎蛹 ー新宿鮫 Ⅴ ーよりずーっと良いです。新宿鮫 風化水脈 ーⅧー と同じような読書感です。 新宿署に組織犯罪対策課が設けられた。この組織に香田が理事官として移…

濁流資金 警視庁公安部・青山望

濱 嘉之 著 濁流資金 警視庁公安部・青山望 青山望シリーズの第五弾です。「青山望」は麻布警察署警備課長として赴任後、半年で警視に昇進した途端に、公安部公安総務課第七担当管理官として、本部の古巣に戻った。警察学校・同期同教場の他の三名もそれぞれ…

炎蛹 -新宿鮫 Ⅴ -

大沢在昌 著 炎蛹 -新宿鮫 Ⅴ - 新宿鮫の第五弾です。少し傾向が違うようです。仮想というのか、登場人物が心の中で考えていることが語られます。短い章が頻繁にあります。 今回は、女装のラブホテル放火犯、コロンビア国籍の売春婦殺害事件、この売春婦達…

夫婦からくり -六尺文治捕物控え-

中島 要 著 夫婦からくり -六尺文治捕物控え- [からくり]①あやつること ②しかけ、機械 ③工夫をこらして仕組んだこと、計略 と説明がありました。 身の丈六尺の大男で、十手を預かる「文治」は、「お仙」が女将である一膳飯屋『たつみ』に十二歳の時から…

毒猿 -新宿鮫 Ⅱ -

大沢在昌 著 毒猿 -新宿鮫 Ⅱ - 新宿鮫の第二巻目です。鮫島警部は張り込み中に、台湾から来た軍隊上がりの警官「郭栄民」と知り合う。郭は観光で来たと言っているが、「毒猿 ドゥユアン」を追って来たのである。毒猿は台湾マフィアの「葉威」を殺すために…

南 紫音 ヴァイオリン・リサイタル

アンコール : エルガー「愛の挨拶」Op.12 平日の11時からの音楽会で、所要時間は、休憩無しの一時間です。 Schubert の第三楽章から良くなった様に感じました。Paradis は好演でした。続く Ravel の Tzigane の最初のヴァイオリン独奏部、ホールと一体と…

赤毛のアン

ルーシィ・モンゴメリ 著 赤毛のアン 原題は、Anne of Green Gables です。 初めて読みましたが、やはり名作です。最近出た改訳版は評判が悪いようなので、昭和二十九年発行、昭和六十二年 七十八版の文庫本 村岡花子訳で読みました。 古典の翻訳物 特有の、…

セカンドステージ

五十嵐貴久 著 セカンドステージ 400字詰め原稿用紙590枚、文庫本への書下ろし と巻末にありました。 「桜井杏子」、小学二年生の娘と五年生の息子を持つ、三十九歳の主婦である。大学卒業後は食品関係の会社に勤めていて、充実した生活を送っていた。十一年…

半所有者

河野多恵子 著 半所有者 短い。一頁あたり270字、44頁です。内容も良く判らない。 「久保氏」の妻が亡くなり、病院から自宅に帰ってきた。息子夫婦も立ち去り、妻と二人になった久保氏は、妻に『おかえり』と言った。一月半ぶりの帰宅である。その後久保氏は…

結び屋おえん 糸を手繰れば

志川節子 著 結び屋おえん 糸を手繰れば 味噌問屋 松井屋のお内儀であつた「おえん」は不義を疑われて、夫「文治郎」から離縁を言い渡された。おえんの実家 丸屋は兄「吉兵衛」が継いでいて、不貞を疑われて嫁ぎ先を追い出された妹 おえんに、実家の敷居をま…

警官の条件

佐々木譲 著 警官の条件 本書は『警官の血』の続編である。本書の初めは『警官の血』の最後の場面を繰り返している(様だ)。「安城和也 巡査」が潜入捜査で、直属の上司である「加賀谷仁 警部」の服務規程違反を、警務部に報告し、加賀谷警部が捕えられ裁判…

命もいらず 名もいらず

山本兼一 著 命もいらず 名もいらず 「山岡鉄舟」の十歳から死までの話である。名は「小野鉄太郎高歩」のちに山岡家に養子に入る。父は六百石の旗本で、鉄斎十歳の時に飛騨の郡代(代官)として赴任する。父は鉄斎の為に江戸から北辰一刀流 「井上清虎」を招…

冬姫

葉室 麟 著 冬姫 「冬姫」は、織田信長の二女である。母は体が弱く、冬姫を産んですぐに亡くなったと教えられている。母の形見である、水晶の数珠をいつも首にかけている。しかし、後に、斉藤道三の娘で、信長の正室「帰蝶(濃姫)」の子であることが判る。 …

なかったことにしたくない

東 小雪 著 なかったことにしたくない(実父から性虐待を受けた私の告白) 小学校二年生のときから不登校になり、卒業までまったく学校に通えなかった。さらに意識障害をともなう痙攣発作をしばしば起こし、難聴や視力低下、視野狭窄などの症状も出はじめた…

プロ野球 VS メジャーリーグ 戦いの作法

吉井理人 著 プロ野球 VS メジャーリーグ 戦いの作法 著者は、元野球選手である。 簑島高校で甲子園、近鉄、ヤクルト、メッツ、ロッキーズ、エクスポズ、オリックス、日本ハムのコーチを経験している。 恐らく、本人が書いているのでは無く、ライターが書い…

飯盛り侍

井川香四郎 著 飯盛り侍 戦国時代の九州での話です。”肥後の熊”と言われた「龍造寺隆信」の家来で侍大将「重兵衛」の家来で足軽頭である「榊 玄番」の”飯番”「弥八」が主人公です。弥八は、腹が減っては戦ができぬを信条に足軽たちにうまいものを食べさせて…

新宿鮫

大沢在昌 著 新宿鮫 シリーズとして、既に十冊出ている、第一作目です。1990年9月の初版である。 新宿鮫と呼ばれる、警部「鮫島」の登場である。鮫島の恋人「晶」の紹介もある。 密造銃をつくる名人、その銃を使って警官を殺す犯人、その犯行から結末までの…

背いて故郷

志水辰夫 著 背いて故郷 大変面白いです。著者の初期の作品、1985年10月に発行されています。私は、この著者は大好きな部類に入ります。しかしこれまで後期の時代小説しか読んでいませんでした。これからは、初期、中期の作品も読んでゆく積もりです。本書は…

秘事(ひじ)

河野多恵子 著 秘事(ひじ) 著者の作品を初めて読みました。面白かったです。 夫婦の出逢いから、始まります。男性から見て、理想的な奥さんが描かれています。 話は時系列的に書かれているのではなく、年寄りの話のように、あっちへ行ったりこっちへ行った…

心中しぐれ吉原

山本兼一 著 心中しぐれ吉原 著者は『千両花嫁 とびきり屋見たて帖』の著者ですね。『千両花嫁』で直木賞候補になっています。翌年に別な作品で直木賞を受賞しています。 本書は、『千両花嫁』の様にほのぼのとした作品ではなく、もう少しドロドした内容です…

大奥騒乱(伊賀者同心手控え)

上田秀人 著 大奥騒乱(伊賀者同心手控え) 本書は文庫本の書下ろしシリーズではなく、月刊問題小説に掲載されたのを、単行本化した単品小説です。 著者の得意とする江戸時代中期、家治の頃の話である。表題通りの内容である。 ✰✰✰(2015年からは、5段階の ✰…

警官の血

佐々木 譲 著 警官の血 親子三代の警官の話です。「安城清二」は妻 「多津」が妊娠したので警官になることにする。警察練習所に入り、「香取茂一」「早瀬勇三」「窪田勝利」の同期を得る。そして警察学校を卒業する。昭和23年3月31日であった。安城清二は、…

自負と偏見

ジェイン・オースティン 著 小山太一 訳 自負と偏見 私の愛読書です。本書は新訳です。 原文は、1813年に出版されました。200年前です。すごいですね。日本で言うと徳川第11代将軍 家斉の時代です。この時代に、教養ある女性がこのような物語を書くことは出…