柚木裕子 著 朽ちないサクラ
「森口 泉 」は、米崎県警広報広聴課に勤務している。二十五歳で入庁して今年で四年目だ。
『平井市女子大生ストーカー殺人事件/警察署職員、両親の被害届を放置中、北海道へ慰安旅行か』と米崎新聞にスクープされた。泉 の所属する広報課は、「富樫」課長以下達その対応に追われててんてこ舞いである。
泉 は、米崎新聞社の記者である「津村千佳」と連絡をとった。泉 と千佳は高校同級生で親友であった。大学卒業後は疎遠になっていたが、泉 が米崎署に勤務してからは定期的に会うようになっていた。
泉 が心配しているのは、泉 の警察学校の友人「磯川俊一」が泉 に渡した北海道土産のお菓子の話を、千佳に話したことであった。泉 は千佳に口止めをしたが、千佳がスクープを書いたのではないかと。
泉 の問いかけに、千佳は口止めされたから、スクープを書いたのは、絶対に私ではないと否定し、汚名を返上すると言った。
千佳は、その一週間後に他殺死体で発見された。
泉 と磯川は、この事件を調べ出す。-----
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