浅田次郎 著 一路
小野寺一路は、算え十九歳の若さで 西美濃田名部郡を領分とする旗本 蒔坂左京大夫の御供頭の大役を仰せつかった。蒔坂左京大夫は大名ではないが、七千五百石の知行地があり、大名同然であるから参勤の義務を負った。
一路の父親は屋敷を失火にて消亡させ、折悪しく病に臥せていた焼死していた。一路は江戸屋敷の門長屋に生まれ育ち、今回初めて田名部の土を踏んだ。父親から何も教えを受けず御供頭をすることになる。焼けた屋敷跡から漆の爛れ落ちた文箱が見つかる。その中には二百幾十年前の行軍録（参勤交代の記録）が見つかる。
一路はこれを頼りに、二百幾十年前の行軍を再現させてる事にする。
下巻では、蒔坂左京大夫の叔父である蒔坂将監が、左京大夫を亡き者にし代わって藩主になろうとする陰謀が話の中心になる。
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