巽 一郎・片寄斗史子 著 膝・復活
片寄斗史子の聞き書きシリーズで、著者 巽 一郎 は、人工膝置換術の第一人者である。
膝が痛くて歩けなくなるという事は、行きたいところに行けない。旅行もできない。車椅子のお世話になると、人生に大きな影響をあたえる。
巽 一郎 は、「膝が痛くて歩けないのですぐに手術をして欲しい」と言う患者が来ても、すぐには手術はしない。レントゲン写真をとり状況を把握し、患者と話し合い以下の提案する。
1. 減量をすること
2. 足の筋肉を鍛えること
3. 歩き方を変えること
以上を提案し、実践するために、三か月後の再診予約をする。
真面目に、実践した人たちの半数は膝の痛みが激減する。その人達はさらに三か月の実践を勧める。
体重が増える等、上記を実践しない人には手術をしない。
実践したけれどの痛みがほとんど軽減しない人達には、手術方法(半置換術、巽式全置換術)を相談する。
それではその具体的な実践方法は、
2. 足の筋肉の鍛え方
大腿四頭筋の訓練:椅子に腰かけて、片方の足を水平にあげる。同時に腰を伸ばし腹筋を使い、股関節から90度にまっすぐ伸ばし、お尻とかかとの高さが同じになるまで上げる。膝の裏をよく伸ばしたら、足の指をギュッと握るつもりで3秒間止める。これを30回左右交互に行う。足を上げる前にお腹を凹ませ、足を降ろしたらお腹も緩める。毎食前前に一日3回、約5分ずつ続ける。
3. 歩き方
O脚の人の場合:頭から先に歩かない。踵から着地し、小指側を浮かし、親指側で着地する。
筆者は、人間の自然治癒力を信じて、これを最大限生かして、手術をせずに痛みのない歩行を取り戻すことを優先している。手術する場合でも、人間が手を加える部分は最小限とし、自然治癒力が働きやすい方法で行っている。
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