2015-01-01から1年間の記事一覧

往診 (表御番医師診療禄-6-)

上田秀人 著 往診 (表御番医師診療禄-6-) 面白いには面白いが、作者特有の一度記したことをなんども繰り返し書くのが大きな欠点です。 表御番医師「矢切良衛」は、表御番医師から御広敷番医師に、更に寄合医師に出世して、長崎修行へ旅立つ。 大奥の「山科」…

昨日の海は

近藤史恵 著 昨日の海は 大変面白かったです。 「大江光介」は、四国の南側にある県(多分高知)の高校一年生である。田舎である。夏休み中のある日、母親「愛」が『明日、伯母さんが従姉妹を連れてくるから』と光介に言った。 『お母さんの姉さんよ』 『母…

私の恋人

上田岳弘 著 私の恋人 『旧石器時代の洞窟で、ナチスの強制収容所で、東京のアパートで、私は想う。 この旅の果てに待つ、私の恋人のことを。』 上記のキャッチフレーズに惹かれて、本書を手に取りましたが、最後まで読めません。大変読みづらい。 図書館の…

GIVER

日野 草 著 GIVER 本書、最後まで(と言うよりほとんど)読めませんでした。 GIVER ギバー は『与える人』という意味である。『ものすごい恨みを持っていて、その原因を作った人を殺したいと思う人に接触し、その人の希望通り殺人を請け負う』これを GIVER …

膠着

今野 敏 著 膠着 この作者にしては珍しく、警察、警官が登場しません。 接着剤メーカーに勤め出した新人営業マン「丸橋啓太」は、入社早々に大失敗をしてしまう。量販店からの注文数を間違ってしまい、十倍の数量が納入されてしまう。先輩社員の「本庄史郎」…

初恋よ、さよならのキスをしよう(柚木草平シリーズ-2-)

樋口有介 著 初恋よ、さよならのキスをしよう(柚木草平シリーズ-2-) 大変面白いです。前作と同様です。以前も書きましたが、1992年が初版ですが古臭さは全くありません。携帯電話が登場しないことだけです。 「柚木草平」が一人称で見た感じをそのまま書いて…

いとど遙けし

蜂谷 涼 著 いとど遙けし 面白いですが、第四章は面白さが減じるようです。 「莉緒」は、播磨藩龍野藩第八代藩主「脇坂安董」から声をかけられ顔をあげた。 その後、母「香枝」から『我が家は代々おなごのみを育ててまいった。「和馬」を例に引くまでもなく…

日本人が知らない「アジア核戦争」の危機

日高義樹 著 日本人が知らない「アジア核戦争」の危機 中国、北朝鮮、ロシア、アメリカはこう動く 南シナ海の南沙諸島付近で中国は人工島を建設している。本書はこの背景を述べている。 中国海軍は二十一世紀に入って多数の艦艇を建造し、ベトナム、マレーシ…

風かおる

葉室 麟 著 風かおる 面白いです。 「菜摘」は三歳の時、同じ藩の「竹内佐十郎」のもとに養女に出された。佐十郎はわけあって致仕したために離縁されて実家に戻った。実家で三年ほど過ごし、七年前に十六歳のときに鍼灸医の「佐久良亮」に嫁した。亮は菜摘を…

西村 朗 の音楽講座

大変 楽しい音楽会でした。話のテーマ、選曲、お話 全部良かった。 また、西村 朗 さん作曲の二曲も、とっても良かったです。リズム系の曲が上手いのですかね。 ヴァイオリニストの中島慎子さん 裸足で登場しました。中島さん天王寺高校卒業の才媛ですが、大…

ラテに感謝!

マイケル・ゲイツ・ギル 著 ラテに感謝! (転落エリートの私を救った世界最高の仕事) 大変面白かったです。特に、第一章、第四章が良かったです。 原題は、”How Starbucks Saved My Life" ですが、この原題の方が内容に則しています。 「マイケル」は、マ…

「流域地図」の作り方

岸 由二 著 「流域地図」の作り方 集中豪雨により、川が氾濫することがよくあります。 私が現在、住んでいる所では、今から約六十年前に川が氾濫して床下浸水したことがありました。 流域地図は、その洪水がどの川から起こり、どう流れて行くのかを検証する…

町奉行内与力奮闘記ー立身の陰ー

上田秀人 著 町奉行内与力奮闘記(1)ー立身の陰ー 幻冬舎文庫での新しいシリーズである。相変わらず、一度出てきた事を何度も繰り返し書く所はありますが、面白いです。電子版で購入。 本書は珍しく、大坂が舞台となり、大阪弁が登場し、また作者の別な面…

特殊防諜班(七)最終命令

今野 敏 著 特殊防諜班(七)最終命令 文庫本を借りていましたが、電子版のセールがあったので、それで購入しました。慣れてきて、結構見やすく、読みやすくなりました。 標題通り、最終巻です。 「芳賀舎念」、「芳賀恵理」、一族に対する、『新人類委員会…

潮流(東京湾臨海署安積班-11)

今野 敏 著 潮流(東京湾臨海署安積班-11) 安積班シリーズの十一冊目です。まずまずの出来です。 今回のテーマは、東京湾臨海署管内の別々の場所で、相次いで救急搬送された患者が出た。そしてその日のうちに死亡した。検査の結果、伝染病の疑いは亡くなっ…

シャイニング(上)

スティーヴェン・キング 著 シャイニング(上) 深町真理子 訳 のパシフィカ版です。1978年初版、1980年再販版です。字が小さくて読みずらい。途中までしか読めていませんが、続きは文庫本を借りる予定です。 父「ジャック・トランス」、母「ウエンディ」、…

歴史認識とは何か

細谷雄一 著 歴史認識とは何か 【戦後史の解放Ⅰ】 日露戦争からアジア太平洋戦争まで 本書は、学校教育では『やる前に時間切れ』になってしまう『現代史』を、国際社会の中での日本、という視点から概観している。 これまでの現代史は拘束され窮屈になってい…

つまをめとらば

青山文平 著 つまをめとらば 時代小説の短編集です。私は短編集はあまり好きではありません。 でも、各篇はそれぞれ面白いです。 一篇読み終える毎に、他の書物(歴史認識とは何か)を読みました。こうしないで、一気に読んでしまうのとでは、受ける印象は全…

ハーゲン弦楽四重奏団+川本嘉子

アンコール : 無し 素晴らしい音楽会でした。感心しました。 ハーゲンSQは、今、世界一の Quartet だと思います。(当然すべてのSQを聞いている訳で無いのですが)。楽器が変わってから初めて聞きましたが、楽器が変わって一段と高い段階になったと思います…

プロフェッション(ST 警視庁科学特捜班)

今野 敏 著 プロフェッション(ST 警視庁科学特捜班) ST 警視庁科学特捜班シリーズの最新作です。何巻目になるのでしょうか。十三巻目ですか? 今回のストーリは、『東京農林大学』の同じ研究室で立て続けに三名が誘拐されて、それぞれ翌日に解放されるが、…

精鋭

今野 敏 著 精鋭 「柿田亮」は、警視庁巡査を拝命し、六か月間の初任教養研修を終えて、都内城南地区の某警察署の地域課に配属された。その後、刑事課、交通課、生活安全課の職場実習も終わり、警察学校に戻った。柿田は、職場実習で、警察官としての判断、…

恋形見

山口恵以子 著 恋形見 「おけい」は、日本橋旅籠町『巴屋』の跡取り娘だ。母親に憎まれて家を飛び出した時、巴屋の隣りで小間物問屋『蔦屋』の跡取り息子であるが放蕩を繰り返している「仙太郎」にやさしくされ汁粉屋に連れて行かれた。『苦労ってやつは、そ…

抱く女

桐野夏生 著 抱く女 1972年9月から四ヶ月間の話です。 「三浦直子」は大学三年生である。授業の出たのは数えるほどしかない。毎日を無為に過ごすことに力を注いでいる。吉祥寺の雀荘に行く。麻雀をしながら横にガールフレンドを侍らせている「中本祐司…

ぼくは明日、昨日のきみとデートする

七月隆文 著 ぼくは明日、昨日のきみとデートする 「南山高寿」は一目惚れをした。京阪電車に乗ってきた彼女はぼくの前に、来た。『すごくかわいい子』だ。終点の出町柳で降り、彼女は叡山電鉄に乗った。宝ヶ池で降りた彼女を追ってぼくも降りた。彼女の後を…

特殊防諜班(六)聖域炎上

今野 敏 著 特殊防諜班(六)聖域炎上 これも引き続き電子版で読みました。価格が安い為です。 「芳賀舎念」は超絶的な霊能力者だ。日本の先住民の血脈を継承している。「芳賀恵理」は舎念の孫娘で、隔世遺伝によりその能力を同じように持っている。 「真田…

特殊防諜班(二~五)組織報復、標的反撃、凶星降臨、諜報潜入

今野 敏 著 特殊防諜班(二~五)組織報復、標的反撃、凶星降臨、諜報潜入 ここまで一気に読みました。いずれも電子版です。面白いですね。各巻が連続していて一つの長編小説になっています。短編連作にない面白さを持っています。 特殊防諜班の元自衛官で、…

捜査組曲 (東京湾臨海署安積班-10-)   

今野 敏 著 捜査組曲 (東京湾臨海署安積班-10-) 安積班シリーズの十冊目です。まずまずの出来ですが、前冊の方が面白かった。 短編連作の為、細切れの話がたくさん入っています。こういう感じです。 ✰✰✰ ==================================================…

特殊防諜班(一) 連続誘拐

今野 敏 著 特殊防諜班(一) 連続誘拐 特殊防諜班シリーズの第一巻です。まあまあ面白いです。 陸幕第二部別室は、陸幕第二部長の管轄外である。そこでは、日本の上空を飛び交うあらゆる電波の傍受と分析、評価が行われている。「早乙女隆一」はその別室の…

出世する部長の仕事

安藤浩之 著 出世する部長の仕事(役員になる人は知っておきたい) いわゆる how to 物です。魅力的な題名ですね。 部長になりたい人、役員になりたい人を惹きつける題名です。 でも内容は薄いと思いました。 ✰ ===========================================…

負けるもんか(正義のセ)

阿川佐和子 著 負けるもんか(正義のセ) 読む前はゴーストライターの書いたエッセイと思っていましたが、本書は小説です。面白いですよ。阿川佐和子は多方面に活躍していますね。本書を読んでも大変な才能だと思います。 「竹村凜々子」は神戸地検尼崎支部…