青春の坂

葉室 麟 著 青春の坂

 

 面白いです。一気に読みました。

 扇野藩シリーズです。

 

 扇野藩の財政は、破綻寸前となった。

 藩主「千賀谷右京太夫定家」は、郡代「檜 弥八郎」を中老に登用して藩政改革にあたらせた。 弥八郎はもとは、三十石の軽格だったが、才腕を振るって郡代にまで昇り、七百石の身分になっていた。

 弥八郎の施政は厳しく、いつしか黒縄地獄と呼ばれるようになった。そのため、落ち度のない罪により、家老たちにより、切腹を言い渡される。

 弥八郎の長男「慶之助」は二十二歳で、遊学の為、江戸に出ており、俊秀を謳われ、将来は、扇野藩を背負うと見られていたが、弥八郎と慶之助はそりが合わなかった。

 慶之助は、世子「左近将監 仲家」に気に入られており、まだ部屋住みの身で咎を受けなかった。

 弥八郎の妻はすでに病没しており、国元には十三歳の娘「那美」が残された。藩の指示で、檜の親戚の中でも最も貧しい「矢吹主馬」に預けられることになつた。

 主馬は、二十五歳で、郡方二十五石という軽格だった。

 

 数年が経過し、藩主定家は病勝ちで、世子の仲家が家督を継ぐことになる。家督相続の前に、仲家は国元に帰ることにする。そして慶之助に供を命じる。そして国元で檜家の家督相続をするように言う。----- ー

 

 

 

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