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残り者

朝井まかて 著 残り者

 

 慶応四年(1868年)の四月十日は、江戸城明渡しの沙汰により、大奥からすべての者が出ることになる日である。

 天璋院は「ゆるゆると、急げ」と命じて、自らも一橋邸に移った。

 

 十一年前に十五の齢で大奥に上がり、呉服之間に勤める「りつ」は、皆が退出するするなかで、今一度呉服之間の後始末が気になり戻るのである。

 その時、天璋院が可愛がっている猫を探す五十がらみの御目見得以下の女中を見かける。御膳所の御仲居である「お蛸」と出会う。このまま一人で残して行くことも出来ず、一緒に猫を探すうちに、御目見得以下で御三之間の「ちか」と出会う。

 さらに御中臈「ふき」、静寛院宮付で呉服之間に勤める「もみじ」と出会う。

 

 この五人は、江戸城明渡しを目撃するのである。

 

 

 

 

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