なかったことにしたくない

小雪 著 なかったことにしたくない(実父から性虐待を受けた私の告白)

 

 小学校二年生のときから不登校になり、卒業までまったく学校に通えなかった。さらに意識障害をともなう痙攣発作をしばしば起こし、難聴や視力低下、視野狭窄などの症状も出はじめた。高校二年生のとき、セクシュアリティ性的指向)が違うと気づく。異性ではなく、同性を好きになる事である。この時、宝塚音楽学校を目指して猛訓練をする。五十人の合格者に入る。宝塚音楽学校の予科生のとき、本科生から 指導 という暴力を受ける。一年後、本科生になった時、今度は、暴力の加害者となっていた。卒業し、ラインダンスで初舞台を踏む。本公演で代役を得るが、衣裳のズボンの内側に縫い糸が入っていて、太ももに刺さった。これがきっかけで舞台に立てる精神状態でなくなり、宝塚を退団する。

 そして、精神障害からくる薬物依存、リストカットを繰り返すことになる。二階の窓から飛び降りたこともあった。そんな状態の五年間であった。

 心理療法の専門家からカウンセリングを受ける。これまでの精神障害の原因は、実父による性虐待であることが判る。父による性虐待は幼少期から長期にわたり、ずっと続いていたが、小学二年生から性被害が深刻化する。挿入 に伴う行為があり、一年生まではなんとか行けてた学校に、二年生になると行けなくなって、先に書いた症状となっていたのである。

 著者は、宝塚出身で最初にレスビアンであることを公表した人。

 

 

 

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