旗本 与一郎

 羽太雄平 著 転び坂(旗本 与一郎)

        流れ者(旗本 与一郎)

 

 峠越え(与一郎 見参)、新任家老 与一郎、家老脱藩(与一郎、江戸を行く)に続くシリーズである。

 家康のお墨付きを利用し、小さな大名家の家老から、五千石の旗本になった。そして、前将軍の生母 隋陽院の侍女 加寿江を新妻とした。お墨付きを利用したことで、仙台藩を刺激したことになる。さらに屋敷を普請中に鏡が発見される。これが切支丹のカラクリ鏡であった。この鏡を切支丹の信徒が取り返しにくる。これに賛同した与一郎はこれらの信徒を九州に逃がすのに手を貸す。以上が転び坂。

 旗本になって二年目の春、薩摩藩の元藩主が与一郎に近づく。「信徒を九州に逃がした。与一郎の元婚約者で尼僧になった妙鶴尼も同行している。」ことで脅迫をうけ、交換条件を出される。妻 加寿江が妙鶴尼に手紙を書くことで解決する。しかし、信徒の女盟主と妙鶴尼を五島列島の小島に避難中の唐船に送ったのが与一郎とかかわりのある小次郎であると薩摩藩に察知されている。以上が流れ者です。

 この終わり方から見るとまだまだ続きそうです。

 

 どちらかと言うと、峠越え、新任家老 与一郎、家老脱藩、の方が面白かった印象です。何故かといえば前置き 歴史的背景の部分が多すぎて、話の流れがスムーズでない為です。

 

 

 

 

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