悪足掻きの後始末(厄介弥三郎)

佐藤雅美 著 悪足掻きの後始末(厄介弥三郎)

 

 「都築弥三郎」は、小普請組支配組頭「都築孝蔵」を兄にもつ、厄介である。甥「高丸」には敵視されている。厄介とはいえ武士の嗜みとして千葉周作の剣術道場に行っていた。兄弟子に誘われて用心棒をした。旅人宿山城屋の仕事であった。主人は「山城屋弥市」からいろんな依頼があり、弥三郎は小遣いに不自由しなくなった。お尋ね物を人別をこしらえて江戸の人間にしてくれと頼まれる。この男は「源右衛門」といい、冤罪を主張した。しかしこの男も盗賊の仲間と判る。

 弥三郎の兄から婿養子の話が持ち込まれた。兄は相手先「菅谷三九郎」に、五十両を支払っていた。菅谷三九郎はあちこちに婿養子を持ちかけて金を騙し獲っていた。おまけに菅谷は株を売り払っており、単なる婿であった。

 源右衛門の人別を作るのに、骨董商「萬屋久万五郎」の力を借りる。菅谷三九郎、萬屋久万五郎が詐欺をする現場に立ち会い、菅谷三九郎の取り分から五十両を取り返す。

 萬屋久万五郎の世話で、手習塾で代教をしている志津と祝言をする。

 しかし、都築弥三郎はずるずると後戻りの出来ない道に嵌って行く。

久しぶりに『佐藤雅美』を読みました。この人特有の文章、筋たて、ですね。面白かったです。 

 

 

 

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