2016-01-01から1年間の記事一覧

淑女にささげるキスの作法

ローラ・リー・ガーク 著 淑女にささげるキスの作法 原題は、”And Then He Kissed Her" です。面白く読みました。 ”The Girl-Bachelor Chronicles" シリーズの第一巻です。ヴィクトリア朝末期(1870年から1901年)を舞台にした作品です。 訳者あとがきより …

防諜捜査

今野 敏 著 防諜捜査 オール読物2015年2月号~12月号に掲載された小説です。以前は雑誌で読みましたが、今回は単行本で読みました。 雑誌でとぎれとぎれに書いたものが、こうして一冊の本となって読んでみると、つぎはぎしたところは全くなく、違和感があ…

悪魔公爵の子

ジョージェット・ヘイヤー 著 悪魔公爵の子 原題は、”Devil's Cub" です。私は面白く読みました。 時代設定は、十八世紀後半、ジョージ三世の治世下のイングランドです。 訳者あとがきより 『「ヴィダル侯爵ドミニク・アラステア」父親の「エイヴォン公爵」…

素晴らしきソフィー

ジョージェット・ヘイヤー 著 素晴らしきソフィー 原題は、”The Grand Sophy" です。私は面白く読みました。 時代設定は、摂政時代(リージェンシー)のイングランドです。 訳者あとがきより 『幼くして母を亡くした「ソフィー・スタントン・レイシー」は、…

阪神xDeNA 戦

この日は、天気が悪く、決行するのか中止か判らないし、最近は負けが多いのであまり球場に行きたくありませんでしたが、----。 五回を終わった段階で今日は楽勝ペースと思っていましたが、六回急におかしくなりましたが、七回裏の一点が良かったですね。…

燦 -7-天の刃

あさのあつこ 著 燦 -7-天の刃 大変面白いです。しかし短いですね。174頁です。もう少し長く、せめて 400頁ぐらいは欲しいですね。 続巻-8- が既にアナウンスされています。8月4日 に発売予定です。 田鶴藩新藩主「圭寿」は、筆頭家老嫡男「吉倉伊月…

入れ替わった双子

ジョージェット・ヘイヤー 著 入れ替わった双子 原題は、”False Colours" です。リージェンシー物の大御所ジョージェット・ヘイヤーの作品です。 私は大変面白く読みました。 訳者あとがきより 『時代設定は、1817年です。摂政時代(リージェンシー)のイン…

カナリア恋歌(お狂言師歌吉うきよ暦)

杉本章子 著 カナリア恋歌(お狂言師歌吉うきよ暦) 本書は、作者の遺作である。最終章が未完である。お狂言師歌吉うきよ暦シリーズの第四巻目である。私は大変面白く読みました。 解説あとがきより 『お狂言師の「歌吉」は宿駕籠屋の娘で、大名家の奥向きに…

九十九藤

西條奈加 著 九十九藤 増子屋は本店にあたる油問屋、隣に蝋燭問屋と合羽問屋と三軒仲良くならんで、ともに繁盛している。そして四軒目にあたる増子屋は、表通りを折れてすこし途切れた場所にある。『冬屋(かづらや)』という口入屋である。冬屋は、開店以来…

フレデリカの初恋

ジョージェット・ヘイヤー 著 フレデリカの初恋 原題は、”Frederica" です。リージェンシー物の大御所の作品です。 私は大変面白く読みました。 訳者あとがきより 『時代設定は、1818年です。「ヴァーノン・ドーントリーことアルヴァストーク侯爵」は、姉の…

神尾真由子 with 井上道義&大阪フィル

アンコール : 神尾真由子の独奏で Ernst : Schubertの魔王による大奇想曲 Op.26 凄く難しい曲みたいでしたが、それを感じさせない技巧でした。オーケストラの弦楽奏者、特にヴァイオリン奏者たちは、目を皿のように彼女の演奏を見ていました。 チラシには…

ささやく水

ジェイン・アン・クレンツ 著 ささやく水 原題は、”Deep Water" です。私は面白く読みました。 裏表紙より 『五年前に両親が亡くなり、弟や妹の為に財産を守る為、大手デパートのCEOとして奮闘してきた「チャリティ・トゥルイット」は、合併が絡む婚約発表の…

葵の月

梶 よう子 著 葵の月 将軍家治の嗣子である家基は、品川の新井宿へ鷹狩りに出た。東海寺にて休息をとった。茶を喫した直後、家基はにわかに不調を訴えた。急ぎ城へ戻り、手を尽くしたが、容態はみるみる悪化し、三日後、息を引き取った。 『上田田秀人』好み…

悲しいほど ときめいて

リサ・クレイパス 著 悲しいほど ときめいて 原題は、”Worth any Price" です。ボウ・ストリート・シリーズの第三巻目です。 私は面白く読みました。 訳者あとがきより 『時代は十九世紀前半、舞台は喧騒に満ちた華やかなロンドンです。裕福な貴族や名士たち…

憎しみも なにもかも

リサ・クレイパス 著 憎しみも なにもかも 原題は、”Lady Sophia's Lover" です。ボウ・ストリート・シリーズの第二巻目です。 私は面白く読みました。 裏表紙より 『19世紀英国。伝統的に男の職務とされる治安判事補佐官の職に応募してきた「ソフィア・シド…

想いあふれて

リサ・クレイパス 著 想いあふれて 原題は、”Someone to watch over me" です。ボウ・ストリート・シリーズの第一巻目です。 ボウ・ストリート・シリーズとは、ロンドンのボウ・ストリート治安判事事務所からきています。ボウ・ストリート治安判事事務所はイ…

早春賦

山口恵似子 著 早春賦 「菊乃」は「大堂勝太郎」の長女である。兄が二人いる。勝太郎は札差上がりの政商である。勝太郎の妻「佳乃」は落ちぶれた五千石の大身旗本の息女である。勝太郎は娘の菊乃を呼んだ。勝太郎の目の前に並んだ母子はとにかく美しい。二人…

ジュリアード弦楽四重奏団

アンコール : Beethoven Op.135 3rd Mov アンコールが素晴らしく良かったです。 前回聞いた時と、Vla のメンバーが代わっていました。チラシの写真は前のメンバーです。Vc のクロスニックもこの六月一杯で退団するそうです。 前回聞いた時は、1st Vn のリン…

バシュメット& モスクワ・ソロイスツ

チラシやプログラムには記載されていませんでしたが、下記曲が追加されていました。 武満 徹 3つの映画音楽より第一曲 ”訓練と休息の音楽” (「ボビー・トレス」より) 第三曲 ”ワルツ” (「他人の顔」より)プログラム通り アンコール : Schnittke Polka …

アリバイ会社にご用心

新藤卓広 著 アリバイ会社にご用心 病院の待合で時間があったので、売店で数少ない書籍から本文庫を購入しました。 結構面白かったです。 「右藤旺太郎」は中学一年生の時に、父親が殺人罪で逮捕され、自供し服役した。父親は死ぬ前に旺太郎に『僕はやってい…

彩<いろ>は匂へど(其角と一蝶)

田牧大和 著 彩<いろ>は匂へど(其角と一蝶) これは、後に「英一蝶」と名乗ることになる人気絵師「多賀朝湖」=暁雲と 芭蕉一門きっての奇才俳諧師「宝井其角」が唯一無二の友となる前、二人の出逢いの物語である。 本書の一番初めに上記の様に書かれてい…

権力闘争がわかれば中国がわかる

福島香織 著 権力闘争がわかれば中国がわかる 2012年秋、習近平政権が成立した当初、『習近平は尖閣諸島を奪うつもりだった』らしい。まさか、と思う人が大半だろう。作者も、中国の政府も解放軍にも、そのような実力はない、と考えている。だがそう口にする…

辛夷の花

葉室 麟 著 辛夷の花 大変面白かったです。一気に読めました。 ある朝、澤井家長女「志桜里(しおり)」は庭に出て辛夷の蕾を見つめながら、今年は辛夷の花が咲くのは遅いかもしれない、と思った。そのとき、男の声がした。 『辛夷に花はお好きですかな』 志…

凛と咲きて

矢野 隆 著 凛と咲きて 芸妓「凛」は宴席帰りだ。隣を提灯をさげて歩くのは「伝助」だ。伝助は、凛を贔屓にしてくれる料理屋『三ツ枡』の小僧で、三ツ枡の座敷に呼ばれた際は、必ず伝助が帰りの供をした。 凛は今日の客のせいで気が立っていた。客の六人、皆…

ベトナムの桜

平岩弓枝 著 ベトナムの桜 瀬戸内海に浮かぶ高取島は、このあたりを航海する人々にとって花の名所である。この高取島には古くからの名家が二軒あった。一つは高取家、朝廷の命によって京から赴任した国司に代わって政務を取る目代の家柄であったが、土着して…

馬車が買いたい

鹿島 茂 著 馬車が買いたい 本書は、「ウージェーヌ・ド・ラスチャック」(バルザック『ゴリオ爺さん』)、「リシュアン・ド・リュバンプレ」(バルザック『幻滅』)、「ラファエル・ド・ヴァランタン」(バルザック『あら皮』)、「フレデリック・モロー」…

書店ガール5

碧野 圭 著 書店ガール5 書店ガール・シリーズの第五作目です。面白かったです。 第四作同様、新興堂の「西岡店長」は全く登場しません。本社へ転勤した「小幡亜紀」は夫「小幡伸光」のからみで少し登場するだけです。 本書、第五作の主人公は、「宮崎彩加…

京都ぎらい

井上章一 著 京都ぎらい 面白いです。 筆者は、右京区、嵯峨、清凉寺釈迦堂の西側で育った。そして京大卒である。その筆者が、洛中の人達からは京都育ちと見て貰えない。洛中の人からから見れば嵯峨育ちは田舎者である。杉本家の九代目当主からは『嵯峨の子…

禁裏付雅帳 (一)政争 (二)戸惑

上田秀人 著 禁裏付雅帳 (一)政争 (二)戸惑 新シリーズ ”禁裏付雅帳” を二巻連続で読みました。上田秀人の書下ろし文庫本は二冊溜めて読むのが良いようです。 例によって繰り返しが多いです。上田秀人の読者ならそれこそ、『何度も繰り返し同じことを書…

男こそアンチエイジング

伊藤和弘 著 男こそアンチエイジング アンチエイジングとは、エイジング(年をとること)に逆らうと言う意味である。 『見た目』の若い人は『健康年齢』も若い。アンチアイジングは『男のたしなみ』であると言うのが本書の趣旨である。 各論が併記されている…