最後の証人(佐方貞人シリーズ-1-)

柚月 裕子 著 最後の証人 (佐方貞人シリーズ-1-)

 

 中盤でやや緩むが、前半、後半はとっても面白かったです。

 

 表紙裏側より

  『元検察官の「佐方貞人」は、刑事事件を専門に扱うやり手弁護士だ。

 そんな佐方の許に、かって在籍した地検の所在地で起きた殺人事件の弁護依頼が舞い込む。高層ホテルの一室で起きた刺殺事件。物的証拠、状況証拠ともに、依頼人が犯人であることを示していた。男女間の愛執のもつれが引き起こした悲劇。世間やマスコミの誰もが、依頼人に勝ち目はないと見ていた。

 しかし佐方の、本筋を見抜くプロの勘は、これは単純な事件ではないと告げていた。敗戦必至の弁護を引き受けた佐方に、勝算はあるのか。

 やがて裁判は、誰もが予想しなかった展開をみせるーーーーー。』   

 

 

 

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葵の残葉

奥山景布子 著 葵の残葉

 

 明治十一年九月三日 に、長兄の慶勝から写真を撮るから集まるようにというう案内があり、四兄弟が集まった。

 尾張徳川家十四代当主、徳川慶勝

 一橋徳川家十代当主、徳川茂栄。

 会津松平家九代当主、松平容保

 桑名久松松平家四代当主、松平定敬

尾張徳川家の分家である美濃高須の松平家から、それぞれ、諸家に養子に入り、跡取りとなった兄弟四名である。

 江戸で、京都で、大坂で、尾張で、会津江戸幕府が倒れ、新政府が立ち上がる、いくつかの局面において、この中の二人、あるいは三人が同じ場所にいたことは幾度もある。

 徳川御三家である尾張徳川の当主でありながら、いちはやく幕府を見限り、新政府側にたった慶勝と最後まであくまで幕府の一員として振る舞い、戊辰戦争の渦の中にいた容保、定敬とは、いわば、敵味方にわかれていたわけだが、双方ともに、大きな犠牲を払うことに。間で複雑な立場に立たされた茂栄も、その点は変わらない。

 

 安政五年(1858年)から、この日まで、兄弟の生涯の物語である。

 

 

 

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いずみシンフォニエッタ大阪第41回定演 神尾真由子(Vn)

 

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アンコール : 無し

 

 このプログラムでは、普通は私は来ませんが、神尾真由子がSoloだったのできました。

 ゴーサンの作品では、作曲者が客席にいて、拍手を受けていました。

 リゲティの作品は、演奏が大変難しく、日本人のSoloで、オケの日本人での演奏は、少ないそうです。神尾のヴァイオリンはやはりすごいですね。ピチカットのも全然違います。オケのVnとVa、各一名は、調弦を変えているとの事。不協和音が効果をあげていました。

 

 いずれにしろ、三曲とも、-----。私には、感想を述べるのは難しい。

 

 

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キンモクセイ

今野 敏 著 キンモクセイ

 

 大変面白いです。一気に読みました。読んでいる途中で、これは今野 敏の最高傑作かなとも思いましたが、巻末でやや緩みましたので、代表作の一つになるとーーーー。

 

 「隼瀬順平」は、警察庁警備局警備企画課の課長補佐だ。年齢三十歳の警視だ。いわゆるキャリアだが東大法学部ではなく私立大学の出身である。

 同期でキャリアであるが私大出身の親睦会「土曜会」に出た。メンバーは

「木菟田真一ツクタ」外務省北米局北米二課

「燕谷幸助ツバタニ」厚生労働省健康局指導調査室

「鷲尾 健」防衛省人事教育局

鵠沼歩美」経済産業省

の五名である。

 土曜日の朝刊で報道された、法務省の官僚の遺体が発見された事が話題になる。隼瀬は、新聞報道以上のことは知らない。みんなに殺人事件だろうと質問される。

 他のメンバーの方が色々知っていた。殺されたのは法務省刑事局総務課企画調査室のキャリア官僚である。

 日曜日に隼瀬は、刑事局にいる二期後輩の「岸本行雄」に電話した。岸本はカイシャにいた。休日出勤だ。殺されたのは「神谷道夫」三十五歳のキャリアで、拳銃で額に一発、二十二口径で撃たれていた。

 隼瀬は次に新聞記者「武藤 武」に電話した。

 

 このようにして、隼瀬は事件に巻き込まれていく。

 

 

 

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大江戸科学捜査八丁堀のおゆう 5 ドローン江戸を翔ぶ

山本功次 著 八丁堀のおゆう -5- ドローン江戸を翔ぶ (大江戸科学捜査)

 

 すこし脱線ぎみになってきました。

 大江戸科学捜査シリーズの第5巻目です。

 

 裏表紙より

  『連続する倉破りに翻弄される南町奉行所の「伝三郎」らのため、江戸と現代で二重生活を送る「おゆう」こと「関口優佳」は、科学分析ラボの「宇田川」に協力を依頼。

 現代で証拠品の分析をしてもらうだけのつもりが、彼も江戸へとついて来て、ドローンなど最新技術の力で捜査を行うことにーーーーー。

 やがて事件の関係者として、将軍「家斉」の側近「林肥後守」の存在が浮かび上がる。背景には、大奥最大のスキャンダルがーーーーー。』   

 

 

 

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ツアー「音響学から読み解くフェスティバルホールの魅力」

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最後の演奏は、Bach 無伴奏チェロ組曲 第2番 プレリュード

       鳥の歌

 

 座る席を変って聞くと、やはり違う。音の質は同じであるが、響きが違う。

一階後部席は、響きが少ない。二階席の為、天井が低くなる。

三階席は、すごく響く。独奏チェロが巨大な楽器になる。

一階席前方の響きはその中間である。

フェスティバル・ホールは楽器の直接音は、聞こえない。すべて響きだけである。

 

 奏者が、舞台中央、舞台最前部、舞台最後方、舞台の奥で隅、これも響きは変わる。

一番前で演奏した場合は、直接音はやや聞こえるようになる。

 

 やはり、オペラとコンサートは両立しない。

 

シンフォニー・ホールは、コンサート専用ホールで、直接音と響きのバランスが取れている、素晴らしいホールであると再確認できた。

 

  14日に聴いた、クルレンツィス指揮ムジカエテルナは、ホールなど関係なく素晴らしい演奏であった。指揮者は、ホールの響きを計算して、演奏していたのかもしれない。

 

 

 

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テオドール・クルレンツィス指揮 ムジカエテルナ

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ソリスト・アンコール : 藤倉 大 作曲 Kusmetche 

 

 悲愴素晴らしい演奏でした。この曲では、オケ奏者、チェロとチューバをのぞいて全員が立って演奏しています。そして、その効果は十分に出ています。各奏者の体の振りで判ります。

 十分なリハーサル時間により、指揮者の意図が各団員にはっきりと伝わっています。すごい演奏ですが、各パートの破たんは全くありません。音色も魅力的です。

 こんな演奏はめったに聞けません。

 昨年後半からオケを中心にかなり多く聴きに行きました。ウィーン・フィルロンドン・フィルサンクトペテルブルグ・フィル、バイエル・フィル、ミュンヘン・フィル、パリ管、シカゴ・フィル、これらの演奏に比べ、今日は断トツです。

 私の音楽鑑賞体験では、カール・リヒターミュンヘンBACHによる、マタイ受難曲ロ短調ミサ、それとシンフォニー・ホールで聴いた、ラトル、ベルリン・フィルによるHaydon のオックスフォードとBeethoven の田園、この演奏会と並んで、今日聞いた悲愴が入ります。

 

 前半のコンチェルト、私自身の睡眠不足で十分聞けませんでした。残念です。

 ソリストは、赤いスリッパをはいて登場し、弾くときは裸足です。

 

 東京で三公演、大阪で一公演、今日が日本ツアーの最終日でした。

 

  いろんな要素が重なりあって、この指揮者と彼の作ったオケが出来上がったがったのだと思いましたました。

 

 14日に聴いた、クルレンツィス指揮ムジカエテルナは、ホールなど関係なく素晴らしい演奏であった。指揮者は、ホールの響きを計算して演奏したのかもしれない。

 

 

 

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