雲の果

あさのあつこ 著 雲の果

 

 大変面白いです。

 この「弥勒」シリーズ、8巻目になるのですかね。これはシリーズ中でも出色の面白さと思います。「弥生の月」までゆかなくても、「木蓮」並みの面白さと思います。

 

 森下町の小間物問屋「遠野屋」の主は、「清之介」である。十日前に「喜之助」の葬儀を済ませた。喜之助は、先代が遠野屋をおこしたときからの奉公人だった。清之介の代になって、商いが肥え、筆頭番頭になった。無類の酒好きで、妻を娶らなかった。

 喜之助の荷物を片付けを女中の「おみつ」がした。

 

 雑木に囲まれた仕舞屋で火事が起きた。焼け跡に女の死体が一つあった。殺しであった。

 同心「木暮信次郎」と岡っ引き「伊佐治」が動き出す。

 焼け跡から鶯色の布切れが見つかった。帯の端のようだ。しかし、この帯は普通の帯ではなかった。

 遠野屋が帯を預かり、帯問屋に問い合わせをすることにした。しかし清之介は気付いた。喜之助の持ち物の中に帯があり、この帯が焼け跡の帯と同じであると。-----

  

 

 

 

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警視の哀歌

デボラ・クロンビー 著 警視の哀歌

 

 面白いです。

 

 原題は  ”The Sound of Broken Glass” です。

 「警視・シリーズ」の第15巻目です。第一巻は「警視の休暇」です。

 

 裏表紙より

 『初老の弁護士が全裸で緊縛、猿轡されたまま、遺体で発見された。

 容疑者は新進気鋭のギタリスト。貧しい少年時代を過ごした彼には、しかるべき動機があった。

 その直後、またも彼と因縁深い弁護士が同じ手口で殺害された。

 ロンドンを舞台に、容疑者、被害者、関係者の錯綜した過去が解き明かされる人間ドラマ。』  

 

 主人公は「ジェマ・ジェイムス」ブリストン・ヒルに配属されたばかりの女性警部。夫は、再婚同士で、元上司の「ダンカン・キンケイド」スコットランドヤードの警視。妻のジェマに代わって育児休暇中。

 「メロディ・タルボット」はジェマの部下。巡査部長。

        

 

 

 

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月夜の館でささやく愛

キャサリン・コールター 著 月夜の館でささやく愛

 

 面白いです。

 

 原題は  ”The Nightingale Legacy” です。

 「レガシー・シリーズ」の第2巻目です。第一巻は「真珠の涙に口づけし」です。

 

 裏表紙より

 『両親を亡くして以来、自立した人生を望み、由緒正しき館をひとりで切り盛りしてきた「キャロライン・ダーウェリントンジョーンズ」。

 が19歳の誕生日を目前に彼女の後見人が財産目当て結婚を画策、危うくその身を襲われかけてしまう。

 危機一髪で館から逃げ出した彼女はとある酒場にたどり着き、ひとりの紳士「チルトン子爵 フレデリック・ノース・ナイティンゲール」に出会う。

 機知に富み、洗練された物腰の彼に初めてときめきを感じるキャロラインだったが、後見人に居場所を知られて宿を飛び出す。

 しかし運命はまたしてもふたりをめぐりあわせーーーーー。』           

  

 

 

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ベルリン交響楽団

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ソリスト・アンコール : チャイコフスキー・プレトニュフ編

             「くるみ割り人形組曲より第7番

                アンダンテ・マエストーソ

アンコール : ビゼーファランドールアルルの女 第2組曲より

 

 最近、在版のオーケストラトラをよく聴いていますが、これと比較すると全然違いますね。数段実力が上です。

 このベルリン交響楽団のチケットは、ウィーン・フィルの1/4です。関西のオケの5割増しであることを考えると大変割安です。道理で、補助椅子が出るほどの満員でした。

 ベルリン交響楽団はいつもポピュラーな曲ばかり、おまけに盛沢山です。アンコールも景気の良い曲でした。

 

 ラフマニノフのピアノコンチェルトを聴きに来ましたが、久しぶりに聞いて感激しました。実はこの曲、高校生時代、毎日帰宅すると聴いていた時期(ルービンシュタインのモノラルLPです)がありました。あまり何度も聴くと飽きるところがありますが。

 

 

 

 

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慈雨

柚木裕子 著 慈雨

 

 「神馬智則」は退職した刑事である。妻「香代子」と共に、自宅のある群馬から四国八十八カ所の巡礼に出ている。一番札所から徒歩で八十八カ所の寺を打つ予定だ。

 神馬が四国巡礼を行っている理由は、自分が関わった事件の被害者の供養のためだった。四十余年に亘る警察人生で、重く圧し掛かっている事件があった。

 折しも、巡礼途中で、群馬県で小学一年生の少女が行方不明になる事件が起る。六日後、遺体が山中で発見される。

 神馬は、捜査一課での元部下「緒方圭祐」に電話した。

 

 四国の巡礼の合間に、今起こっている事件、神馬がに重く圧し掛かっている十六年事件が絡みあってくる。

 

 

 

 

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関西弦楽四重奏団 Beethoen-Zyklus

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アンコール無し

 

 奏者3名が京響団員です。常設のQuartetではありません。気のせいか、やはり常設でない欠点があるように思います。

 チェロ奏者はとっても上手いです。この人が全体をリードしています。

 1st Viollin が弱いです。奏者は曲によって交代します。

 

 

 

 

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約束の地

志水辰雄 著 約束の地

 

 大変面白いです。志水辰雄の小説は、数が少ないですが、どれも面白いですね。

 

 「祐介」は、幼少の頃から、祖父「渋木要市」に育てられた。

 昭和二十年三月の東京第空襲の時家族全員が焼死したが、煙に巻かれて窒息死している母の躰のしたから、祖父が見つけだしたと聞かされていた。

 住んでいるのは、麻布の高台にある、さる皇族が住んでいたお屋敷で、当主は「岩村寿郎」で大物である。十名ぐらいが寄宿していた。

 五年生になった時、祖父はそのお屋敷で殺される。

 そして、祖父は日本人ではなく、「イブラヒム・シュブキ」というトルコ人であり、祐介とは、血のつながりはなく、満人の子供であるとずっと後に判る。

 祐介は、その後施設に入所し、京都の大学を卒業する。卒業後、岩村がやっている事業に、入社するよう勧められるが、断り、ヨーロッパへ自費留学することにする。

 岩村からは、三年で帰って来いと言われる。

 

 九年経過し、祐介は岩村に挨拶に行った。-----

       

 

 

 

 

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