ジョージェット・ヘイヤー 著 入れ替わった双子
原題は、”False Colours" です。リージェンシー物の大御所ジョージェット・ヘイヤーの作品です。
私は大変面白く読みました。
訳者あとがきより
『時代設定は、1817年です。摂政時代(リージェンシー)のイングランド。
ウィーンにいた「キットことクリストファー・ファンコット」は、双子の兄であるデンヴィル伯爵「イヴリン」の身に異変が起こったことを双子特有の直観で察知し、急ぎ帰国します。彼を出迎えた母は、イヴリンが明日婚約者「クレシーことクレシダ・ステイヴリー」の家で開かれる晩餐会に招かれているのに当の本人が行方不明になっていることを告げます。不安にさいなまれる母を元気づけるため、キットは冗談のつもりで、いざというときは自分が身代わりになると言います。ところが母が本気にしてしまったため、彼は不本意ながら前代未聞のとんでもない偽装劇の主役を演じることにーーーーー。
キットは最後まで兄を演じきれるか?
ジョージェット・ヘイヤーは1920年代から70年までの実に半世紀ものあいだ、ロマンスやミステリ、歴史小説などを発表してきました。
現代の作家が書くヒストリカル・ロマンスはほとんど現代の言葉で書かれていますが、ジョージェット・ヘイヤーは当時の言いまわしを多用して、極力その当時の雰囲気を出そうと努めたということです。
<残念ながら日本語訳ではそのニュアンスは出ませんね>
五十を超える作品のうち、本書を含めて現在九作品が邦訳されています。(2014年5月現在)ホットなラブシーンはなくとも、ユーモアあふれた饒舌な語り口、多彩な登場人物、細かく正確な描写といった ”古き良きロマンス” は、日本のロマンスファンをも魅了することでしょう。』
参考までに (wikipediaより)
- 愛の陰影 These Old Shades (1926年 / 2009年11月 後藤美香訳 ハーレクイン)
- ひと芝居 The Masqueraders (1928年 / 2012年11月 後藤美香訳 ハーレクイン)
- 悪魔公爵の子 Devil's Cub (1932年 / 2011年5月 後藤美香訳 ハーレクイン)
- 素晴らしきソフィー The Grand Sophy (1950年 / 2009年4月 細郷妙子 ハーレクイン)
- 公爵シルヴェスターの憂い Sylvester, or the Wicked Uncle (1957年 / 2013年7月 後藤美香訳 ハーレクイン)
- 令嬢ヴェネシア Venetia (1958年 / 2010年10月 細郷妙子 ハーレクイン)
- 入れ替わった双子 False Colours (1963年 / 2014年4月 出水純訳 オークラ出版)
- フレデリカの初恋 Frederica (1965年 / 2015年7月 佐野晶訳 ハーレクイン)
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