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シェフを「つづける」ということ

井上直子 著 シェフを「つづける」ということ

 

 作者は、2002年春、イタリアで修業する日本人コックを取材した。当時はどんな山奥の村にも海辺の町にも、星つきのリストランテから小さなトラットリアまでにも、日本人コックは散らばっていた。イタリアの厨房には「シェフになりたい」日本の若者が溢れていた。彼らはどんな人か、会って話を訊きたくてイタリアに行った。その記録は『イタリアに行ってコックになる』という本になっている。

 それから十年がたった時、「やりたいことのあった人たち」がどうしているか。それをつづけているのか、別の生き方をしているのか。その記録である。

 

 仕事に就いている調理師の数は、約24万人、飲食店には9万4千人、毎年の調理免許合格者4万人、このうち何人が料理人をつづけ、何人がシェフになり、何人が店をつづけてゆけるのか。統計によれば廃業する飲食店の割合は、十年後には九割近くになるという。

 

 作者は、2002年には、24名のコックに会っている。十年後には15名が記載されている。大半の人は「シェフ」になっていた。中には三ツ星を取った人もいる。シェフでない人も、料理に関係する仕事をしていた。

 レストラン乱世の現代にシェフとなった彼らに共通するのは、まず、求めること。そして求めることを「つづけた」ことである。

 これは、ほかのどんな仕事や生き方にも通じるのではないかとしている。

 

 

 

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