恋の罠に落ちた伯爵

エリザベス・ソーントン 著 恋の罠に落ちた伯爵 (The Marriage Trap)

 

 大変面白いです。アンドレア・ローレンスの作品と似ていますが、本書の方がもっと人物の描写、背景の説明、さらに周りの筋書きがサスペンス調で良くできています。

 訳者のあとがきからの引用です。

『ヒロインである「エリー」は、両親を亡くし、未成年の弟を養うためにやむを得ず結婚をあきらめ、貴族の付き添い(シャベロン)をして生計を立てています。召使いよりは上といった扱いで、雇い主の黒子にてしなければならない。わざわざ老け顔に見えるように化粧し、野暮ったいドレスを着て、自分の言いたいも言えずに、雇い主のわがままに耐える人生ーーー独立心旺盛なエリーは、自立して生活していることに誇りをもっていますが、社会の部外者のような、影のような存在でいっづけるこのには寂しさを感じている。そんなエリーには、秘密があった。生活のため、あるいは弟「ロビー」のために、まとまったお金がどうしても必要になったときだけに、心に秘めた願望をそのまま形にしたような魅力的な賭博師、マダム・オーロラに変身するのである。』

『賭博師オーロラに扮したエリーと出会った伯爵「ジャック・リグ」は、その美女が同じ日に出会ったさえないエリーときづかずに、たちまち魅了されてしまいます。ところが、ダイヤモンド窃盗事件がきっかけとなって、ジャックとオーロラは---------』

 

『本書の舞台はイギリス摂政期 Regency(1811~1820年)で、ヒストリカル・ロマンスでは<リージェンシー物>というジャンルが確立され、たくさんの本が出版・邦訳されているほど人気の時代です。』

 

『作者ソーントンは「ジョージェット・ヘイヤー」の作品、リージェンシー・ロマンスに触れ、そのジャンルにのめりこみ、物語を書くようになったそうです。』

 

本書が第一作となる Trap シリーズ三部作がある。The Bachelor TrapThe Pleasure Trap

 

 

 

 

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