宇江佐真理 著 擬宝珠のある橋(髪結い伊三次捕物余話)
オール読物8月号の巻末に掲載されていました。
伊三次は得意客である翁屋を訪れた。店は改装中であつた。大工は親方とその息子二人であつた。息子二人は同い年で、どちらも連れ子である。親方とそのおかみさんは再婚である。親子四人はとても仲がよさそうであつた。
おかみさんの前夫の両親は蕎麦屋であつたが、姑が亡くなってからは、甥のところで、淋しく暮らしていた。
伊三次は『今までの髪結いの中で一番の腕だったと褒めておりやした』と言われて
『胸にぐっと来ていた。思わず涙ぐみそうにになったほど伊三次は嬉しかった。』
私も涙が出そうになりました。
そして終わりのほうで、
『お父っつあん、泣いてるの?』と娘のお吉に、伊三次が言われる。
この箇所でも、私も涙が出そうになりました。
宇江佐真理さん絶好調です。
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