疑心(隠蔽捜査-3-)

今野 敏 著 疑心(隠蔽捜査-3-)

 

 隠蔽捜査の第三巻目です。これも大変面白く一気に読めました。

 「竜崎信也」警視長は大森署の署長である。今日は芸能人が制服を着て管内をパレードする一日署長というイベントである。芸能人の名前を聞いたが覚える気もない。竜崎は、その芸能人を一日署長に任命した。警察署内が華やいだ雰囲気となるが、そんな必要はないと竜崎は思う。

 アメリカ大統領が来日することになり、竜崎は方面警備本部長に任命される。異例の人事である。方面警備本部は方面本部に置かれる。大森署は、第二方面本部の管轄下にある。第二方面本部長が警備本部長を勤めるべきである。

 「伊丹」刑事部長に、警視庁警備部長との非公式面談のつなぎを依頼し、「藤本 実」警視監と会い、この人事が手違いであると訴える。しかしこの人事は、大森署管内で起きた立てこもり事件を、SITとSATを見事に運用し、その真相も解明したのが評価されていると言い、警察庁警備企画課長「落合貴幸」警視長、竜崎の一期下と、第二方面本部の「野間崎」管理官が考えた人事であると言う。竜崎は落合と野間崎の策略、すなわち竜崎の失敗を待っているのではないかと考える。

 引き受けたからには、いい加減な仕事は出来ない。大森署に方面警備本部を置く。第二方面本部長「長谷川弘」警視正、竜崎の三期下が副本部長として、野間崎管理官といっしょにきた。「畠山美奈子」、八年前に入庁した女性キャリア、竜崎が広報室長だった時に研修にきていた。優秀であり、且つ魅了的な美人である。畠山は、藤本部長から竜崎の補佐役を命じられていた。彼女の笑顔をみて竜崎は妙な気分になった。

  戸高という素行が良くないが実績を上げる。

 

 竜崎は、妻「冴子」からは、唐変木と言われているが、畠山に恋し、嫉妬するのである。

 

 これまでの三巻の中で最も面白い。

 

 

 

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