心中しぐれ吉原

山本兼一 著 心中しぐれ吉原

 

 著者は『千両花嫁 とびきり屋見たて帖』の著者ですね。『千両花嫁』で直木賞候補になっています。翌年に別な作品で直木賞を受賞しています。

 本書は、『千両花嫁』の様にほのぼのとした作品ではなく、もう少しドロドした内容です。

 「文七」と「平十郎」は幼なじみである。十一のとき、二人は札前の札差の丁稚になった。それから二十七年、いまは二人とも札差の株を持ち、主として店をかまえている。文七は、精をだして働き、才覚と運にめぐまれ、大旦那から暖簾をわけてもらった。平十郎は番頭から板倉屋の娘の婿におさまった。

 文七の女房「みつ」が不忍池のほとりの出逢茶屋で役者と心中した。文七は、夫婦仲は良かったので、どうしても納得ゆかなかった。四十九日がすぎた時、平十郎は文七を吉原へ誘った。

 

 文七の吉原での馴染み「瀬川」、幕府が出した棄損令、そして文七の妻は心中ではなく殺人である等が話の中心である。

 

 

 

 ✰✰✰✰(2015年からは、5段階の ✰ に変更)

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