紫匂う

葉室 麟 著 紫匂う

 

 紫のにほえる妹を憎くあらば 人妻ゆゑに吾恋ひめやむ

紫の匂えるという紫は、紫草(ムラサキ)のこと。この歌は、かっていとおしんだ仲だったが、いまは人妻となった女人への思いを伝えようとするもの。

 

 主人公 澪(ミオ)は、隣家の笙平と幼馴染であり、澪の父親が笙平に娘を貰ってくれるかと言ったことがあつたことなどから、一度だけ関係を持つ。しかし笙平は江戸詰めを命じられる。笙平は何も言わずに江戸に赴いてしまう。思い悩む日を送っていたとき、父から、萩蔵太と見合いするよう言い渡される。笙平には江戸藩邸の側用人の娘御との縁組話があると母に言われる。

 澪は嫁して十二年、二人の子どもにも恵まれ穏やかに過ごしている。

澪は、笠をかぶり、羽織に裁着袴の旅姿の武士を見る。笙平のようであった。笙平は江戸藩邸の側用人になっていたが、お咎めを受け国許に戻される途中に逃亡していた。

 澪、笙平、萩蔵太の今後はーーーーーー。

 

面白いと思います。緊張感ある中、物語は進んでゆきます。

 

 

 

 

===================================================================

===================================================================