みのたけの春

志水辰夫 著 みのたけの春

 

 再読です。文庫本で購入しました。最近はhontoで購入しています。破格のポイントが付与されるのですが、購入期限が短いため、毎月のように買わなければなりません。

 本書は、大変面白い。私の好みの小説です。

 榊原清吉は父親がこしらえた借金で、家屋敷、田畑の大半を売却してもまだ百両以上の借金が残っていた。少しだけ残った山林を桑畑にし、養蚕で家計を立て直そうとしていた。入山衆と呼ばれる郷士で、二十歳である。母親と下男とで暮らしている。三省庵で学問と、尚古館で剣術の稽古には、毎回出られない。

 三省庵で同輩である武川庄八の病気見舞いの為、諸井民三郎と武川の家を訪問するところから物語は始まる。時系列的に話が進むのではなく、その都度、話が前後する。

 その他三省庵の同輩や、先輩である橘川雅之、片桐秀輔、そして師である柳澤宗元、宗元の娘 みわ 等が登場する。幕府が開国に踏み切ったが混乱を極めているときである。尊王攘夷が盛んになつて行く。京まで四十里のこの山村も時代に巻き込まれてゆく。

 

 

 

 

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