逸脱 (捜査一課・澤村慶司-1-)

堂場瞬一 著 逸脱 (捜査一課・澤村慶司-1-)

 

 大変面白かったです。シリーズ物です。

 

 捜査一課「澤村慶司」は、三件目の殺人死体が遺棄されている現場にいた。特徴は首筋まで埋まった短いナイフである。

 本部の一課強行犯は四班中三班が出動中である。人手が足りず、所轄に加えていろんな部署から応援が招集されている。

 最初に事件から一カ月 ーーーー 一カ月の間に同様の殺しが三件。異常事態だ。しかも十年前の未解決事件を模倣した連続殺人だ。

 コンビを組むのは、中出署生活安全課の「永沢初美」である。上司は、「西浦管理官」、「谷口課長」である。

 澤村は過去に自分が犯した失態により心に大きな傷を抱えていた。

 澤村は、西浦管理官とは激しく衝突し孤立を深める。

 そんなさなかに、四人目の犠牲者が出た。

 被害者に共通点を追うと、意外な人物が浮かびあがる。-----』          

 

 

 

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カラヴィンカ

遠田潤子 著 カラヴィンカ

 

 面白かったです。カラヴィンカとは、迦陵頻伽のことで、上半身が人で、下半身が鳥の生物。

 訳者あとがきにありましたが、『辛く耐えられないような出来事が描かれていても、先が気になって、背後に隠されていることが知りたくてどんどん読まされたしまう』そういう小説です。遠田潤子はそういう作家らしい。

 

 裏表紙より

 『歌詞のない旋律を母音のみでうたう「ヴォカリーズ」の歌手として絶大な人気を誇る「実菓子」。

 彼女の自伝のインタビューの相手として選ばれたのは、売れないギタリストの「青鹿多聞」だった。

 なぜ実菓子は、多聞を指名したのかーーーーー2人は幼い頃同じ家で育ち、実菓子の夫は、多聞の亡兄「不動」であり、実菓子の前夫は多聞と不動の父親であった。

 インタビューが進むにつれ、明らかになっていく、おぞましく哀しい出来事。

 その真実が解き明かされた時、新たな事件が起き、新たな事実が、次々と明らかになる。ーーーーー。』         

  

 

 

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秋に墓標を

大沢在昌 著 秋に墓標を

 

 大変面白かったです。

 裏表紙より

 『「松原 龍」は都会のしがらみから離れて、海辺の別荘地で愛犬と静かに暮らしている。

 この別荘地の唯一の隣人宅で火災が発生した番に一人の女と出会う。このことが龍の生活を激変させた。

 浜辺で出会ったその女「内村杏奈」は、アメリカで急成長を遂げた日系企業「ムーン・インダストリー」の会長「秋月」の元から逃げてきたという。

 杏奈に対し、とうに捨て去ったはずの恋愛感情がわき上がるのを覚えた龍は、彼女をかくまうことに決める。

 しかし忽然と姿を消す。どうやら秋月のエージェントと思しき男に連れ去られたらしい。ーーーーー。』        

 

  

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熱波

今野 敏 著 熱波

 

 「磯貝竜一」は私大出身の自治省キャリアである。内閣情報収集室に出向している。

突然、沖縄に出張を命じられた。

 その下調べは、朝方までかかり、そのまま飛行機に乗った。冷房の効いた那覇空港から出た磯貝は、タクシー待ちの列で、脳貧血をおこし、その場にしゃがみこんだ。

 『だいじょうぶですか?』と声を掛けられた。声を掛けたのはすごい美人であった。

沖縄県庁に行くというと、彼女も近くまで行くので、送りましょうかと言われ、タクシーに同乗する。彼女は、「仲泊美里」といった。

 県庁では、国際都市形成構想推進室長と会った。何をしに来たのかという対応であった。次に知事に会った。知事は室長とは違い、屈託なく感じられた。知事から、知事の補佐官を紹介された。「比嘉隆晶」という。滞在中は彼が案内すると言い、『比嘉君のいう事は、私の考えだと思ってください。』と言われる。えらく信用されている。

 その日の晩は、比嘉に裏通りの定食屋に案内された。客をもてなすのに見合った店でない。次の日の夕食もその店であった。その晩はさらに、比嘉が経営する店に行った。

 比嘉はスナックと言ったが、ライブハウスといった感じである。その店には、仲泊美里がいた。従業員である。その店から出たとき、台湾マフィアに拉致されそうになる。ー-----』    

 

  

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地層捜査

佐々木譲 著 地層捜査

 

 管理官に『あなたはこの事案を仕切れるほどの経験も能力もない』 と平刑事が暴言をはいた。その為自宅謹慎を言い渡されていた「水戸部裕」は、捜査一課から同じ課内に新設された特命捜査対策室に復帰した。

 担当する事件は、十五年前に四谷荒木町で起きた殺人事件で、殺人の時効が廃止された為に浮上事案である。地区の有力者から四谷警察署長に依頼されている。

 専従捜査員は水戸部ただ一人。退職した刑事でこの事件を担当していた「加納良一」を相棒になった。

 

 水戸部は町の底に埋もれた秘密と嘘に肉薄してゆく。-----

 

 警察小説シリーズ第一作。

  

 

  

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赤い渓谷(顔のない刑事・追跡行)

太田蘭三 著 追跡行顔のない刑事・追跡行)

 

 顔のない刑事のシリーズ第三作です。

 警視庁捜査一課第二係第三班(継続捜査)に属している「香月功」部長刑事は、休暇で西沢渓谷から戸渡尾根から甲武信岳へ上る登山道を登っていた。ヌク沢で男の死体を発見した。地元の警察と協力して更に探すと女性の死体も発見された。

 当初は豪雨下の遭難死と思われた。しかし男性は、ネパール・ヒマラヤのダウラギリの登山隊員となり、標高8167メーターの登頂を果たしているベテランであった。

 香月は不審に思い、単独で捜査を開始する。

 やがて、死体発見現場を捜査中、精巧なニセ札を見つける。ーーーーー』           

 

 

 

  

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尾瀬の墓標(顔のない刑事・単独行)

太田蘭三 著 尾瀬の墓標顔のない刑事・単独行)

 

 顔のない刑事のシリーズ第二作です。

 「香月功」部長刑事は警視庁捜査一課第二係第三班に属している。香月は中藤課長に警察手帳と手錠、拳銃を預けている。 ”顔のない刑事” である。

 香月は、坂口刑事心中事件を単独で特命捜査をしている。

 この事件は、尾瀬ミズバショウの中から人間の手がミズバショウの花と一緒に現れたのである。死体は二つあり、一体が警視庁捜査一課の警部補「坂口武郎」で拳銃と共に、もう一体は「西田千賀子」という売春容疑や覚醒剤不法所持で逮捕歴のある女であった。千賀子は、銃で胸を撃たれいること、坂口は頭を銃で撃っていることから、心中と判断されている。

 しかし坂口は左利きにもかかわらず、右手で自殺しているのはおかしいという事から再捜査をしているのだ。ーーーーー』     

      

 

 

  

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