あさのあつこ 著 雲の果
大変面白いです。
この「弥勒」シリーズ、8巻目になるのですかね。これはシリーズ中でも出色の面白さと思います。「弥生の月」までゆかなくても、「木蓮柿」並みの面白さと思います。
森下町の小間物問屋「遠野屋」の主は、「清之介」である。十日前に「喜之助」の葬儀を済ませた。喜之助は、先代が遠野屋をおこしたときからの奉公人だった。清之介の代になって、商いが肥え、筆頭番頭になった。無類の酒好きで、妻を娶らなかった。
喜之助の荷物を片付けを女中の「おみつ」がした。
雑木に囲まれた仕舞屋で火事が起きた。焼け跡に女の死体が一つあった。殺しであった。
同心「木暮信次郎」と岡っ引き「伊佐治」が動き出す。
焼け跡から鶯色の布切れが見つかった。帯の端のようだ。しかし、この帯は普通の帯ではなかった。
遠野屋が帯を預かり、帯問屋に問い合わせをすることにした。しかし清之介は気付いた。喜之助の持ち物の中に帯があり、この帯が焼け跡の帯と同じであると。-----
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