忖度(講談社文庫 百万石の留守居役-10-)

上田秀人 著 忖度(講談社文庫 百万石の留守居役-10-)

 

 上田秀人の文庫本小説シリーズの中では、本書が一番面白い。多分、出版社の担当がが優れていると思う。

 

 昨年から、この忖度という文字が流行りになっていますね。

 

 「瀬能数馬」は若き加賀藩の留守居役である。加賀藩の筆頭家老本多家の娘「琴」と仮祝言をあげた。一夜共寝だけで、数馬は隣藩越前福井の城下へと使者として行くことになった。名目は、藩主の帰国挨拶であったが、本当の目的は、先般、参勤交代で帰国の際、富山を通過したとき、藩主に弓を射かけられ、殺害されようとした抗議である。それと、これを企んだ者のあぶり出しだ。

 数馬は、家士として「石動蔵之介」を、小物として、舅の「本多政長」は「軒猿」の棟梁である「刑部一木」を連れて行くよう命じた。刑部から、琴の下女「佐奈」は刑部の娘であると聞かされ驚く。

 数馬の一行は、福井に到着し、福井藩の国家老次席「結城外記」を訪ねた。-----

 

 

 

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