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淑女にささげるキスの作法

ローラ・リー・ガーク 著 淑女にささげるキスの作法

 

 原題は、”And Then He Kissed Her" です。面白く読みました。

 ”The Girl-Bachelor Chronicles" シリーズの第一巻です。ヴィクトリア朝末期(1870年から1901年)を舞台にした作品です。

 

 訳者あとがきより

 『大手出版社を経営する「ハリー・マーロウ子爵」。世襲貴族でありながら出版社を経営し、仕事と金儲けをこよなく愛する野心家でありやり手のビジネスマン。ハンサムな彼はまわりの女性たちから絶えず熱い視線を送られていますが、若い時分に結婚に失敗して以来、”愛情” というものを信じることをやめ、二度と結婚しないと宣言して、女性とは後腐れのない関係しか築こうとしません。

 そんな彼に秘書として仕えているのが「エマ・ダウ」です。子どものころに相次いで両親を亡くし、叔母に厳しく躾けられて育った三十歳目前のオールドミスで、容姿もごくごく平凡ですが、仕事に関してはハリーがビジネスで成功を収めらていられるのも彼女あってこそといわれるほど有能で、近隣の経営者たちのあいだにもその名をとどろかせているほどです。

 ハリーにとってエマはただの秘書にすぎず、感情を排した冷静な仕事ぶりには感銘は受け手も、人間味を感じることはできず、女性として意識したことはありませんでした。エマのほうもにしても、当初こそハンサムな雇い主に胸をときめかせたものの、愛人をとっかえひっかえするような自堕落な暮らしぶりを目の当たりにするうちに、恋心はたちまち冷えてしまっていたのです。

 五年におよぶふたりの主従関係に変化が生じます。エマは作家になりたいという夢があり、ハリーがその夢を叶えてくれるのではないかと期待を抱きつづけていたのです。これまでにも数冊の作品を書きあげていますが、ハリーにはことごとく出版を断られてきたのでした。そして今度こそと期待して書きあげた新作の出版をまたしても断られたばかりか、実際にはほとんど目をとおしてもらえなかったことを知ってしまいます。その日は三十歳の誕生日。エマは辞表を叩きつけ、ハリーの元を去るのです。-------

 

 1873年以降の社会情勢により、女性の社会進出の土壌がすこしづつですが広がりを見せ、中流階級以上の女性も職業に就くようになります。「エマ」はこういったキャリアウーマンの先駆けであったのです。』

 

 

 

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