凛と咲きて

矢野 隆 著 凛と咲きて

 

 芸妓「凛」は宴席帰りだ。隣を提灯をさげて歩くのは「伝助」だ。伝助は、凛を贔屓にしてくれる料理屋『三ツ枡』の小僧で、三ツ枡の座敷に呼ばれた際は、必ず伝助が帰りの供をした。

 凛は今日の客のせいで気が立っていた。客の六人、皆の酒癖が悪かった。その時、行く手に広がる闇のなかに、その六人が立っていた。『今宵の貴様の態度は。あれはなんじゃ』『貴様は芸妓であろう』。男たちからは酒の匂いが消えている。『そうですか------。お客様がたは、最初から私が目当てだっのですね』

 男たちはいっせいに刀を抜いた。凛は三味線の棹を思い切り引っ張る。弦が切れて細い棹が割れた。棹の先には刃が煌めいている。左手には象牙造りの撥。-----

 

 第一章はごく面白かったが、それ以降はそれほどでもない。まあまあです。

 

 

 

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