ベトナムの桜

平岩弓枝 著 ベトナムの桜

 

 瀬戸内海に浮かぶ高取島は、このあたりを航海する人々にとって花の名所である。この高取島には古くからの名家が二軒あった。一つは高取家、朝廷の命によって京から赴任した国司に代わって政務を取る目代の家柄であったが、土着して島長となり、代々が島を統治している。八年前に当主が病死して、長男の「高取大介」と次男「高取次介」がいる。もう一家は小野家である。母は次介が二歳の時に病死しており、この世で二人きりの兄弟である。「小野嘉門」夫婦には、「奈美」、「比奈」の二人の娘と末っ子の彦太郎である。

 高取大介と小野奈美は幼馴染であり、親も許した恋人同士であった。

 大介は高取家の借財を返却するために、「茶屋四郎次郎」という大商人の持ち船である御朱印船に乗ることになる。しかし大介は船酔いする性質であった。次介は大介に代わって茶屋船に乗る。こうして次介はトンキンへ行くのである。-----

 

 読書感は、読みやすいが、やや軽いですね。

 

 

 

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