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走行性能の高いシャシーの開発 

堀 重之 著 走行性能の高いシャシーの開発 

 

 副題として ”実務経験に基づいた高剛性で安全なクルマづくり” がついています。

 筆者は、1980年トヨタ自動車に入社、1991年から車両の開発を推進、2013年退社まで、一貫して車両の走行性能の研究開発を行う。

 内容は高度で、通読は出来なかったが、大変に参考になった。

 『日本の道路は常に修繕がされているので大変フラットな表面で、また自動車の平均スピードの遅いことに特徴がある。欧州や米国の道路はずいぶん荒れている。日本の場合には非常にフラットな面の道路を、早いドライバーは一般道路で約70Km/h、高速道路で約120Km/hでの走行が想定されるが、ドイツでは荒れた一般道路を100Km/h、高速道路では150~180Km/hで走行している。イギリス、フランス、スペイン、イタリアでも、高速道路で150Km/h以上で走行する車が大変多いし、スペイン、イタリアでは警察さえいなければ200Km/hで高速道路を長距離運転している。米国でも130~140Km/hで高速道路を走行する車が多い。道路が荒れていて凸凹が多く、走行速度が高いと車への入力が大きく、おのずと欧州、米国、日本の道路を走る車の走行性能に対する要求や構造が異なることになる。

 ブリュッセルからニースまで約1100Kmの距離の高速道路を150~160Km/hの平均速度で数種の車を交代で運転し続け、夕方目的地に到着して宿泊し、次の日は復路を高速で走るという行程では、疲れない車が好まれ、ポルシェに最も人気が集中した。』

 

 各自動車メーカーの特徴

 『走行性能に関して世界が注目するのはベンツとBMWがあげられる。両メーカーとも他国のメーカーと比較すると走行性能が良い。

 ベンツはリア・ボデーの剛性に重点を置いた車で安定志向、ステアリングフィールの操舵に対する反応もすばらしく、上品な乗り心地の中にしっかりとした旋回性能が保有されている。

 BMWはフロント・ボデーの剛性に重点を置かれ、スポーティーなステアリングフィールが重要視されている。ベンツよりも締まった感じのステアフィールで、操舵に対する車の反応は早い感じがする。サーキットのコーナーなどどんどん速度をあげていってもステアリング操舵性能は衰えず、カーブを急旋回する場合にステアリングで進行方向をコントロールしやすいため、相対的にリアの安定性が小さくても安心感のある車で、プロフェショナルな運転をする方には人気がある。

 両メーカーともスペシャルティーシリーズであるベンツAMGシリーズ、BMW-Mシリーズを保有し、量車ともにベースの車に比べて数段上の走行性能を持つ。特徴はベース車と同じで、ベンツは安定志向、BMWがステアリング反応重視であるが、どちらも走行性能が非常に良いため一般の方が乗って少々の無茶な運転をしてもスピンする事なく、思い切って走る事ができ、運転技術が未熟でも安全に走れる車だと感じる。エンジン排気量が大きく高出力の上に加速性能重視のチューニングであるため、走行性能の良さと相まって感動できる車である。

 ポルシェは、レースで使用する事を念頭に入れられた走行性能の優れた車である。走行性のが良く疲れないため、高速走行で楽に長距離運転できる車である。

 アウディフォルクスワーゲンは高級大衆車、一般大衆車として世界トップ走行性能を保有しており、日本の大衆車とは走行性能に関しては「別物」であり、日本の高級車と言われる車よりも優れている場合が多い。

 日本車では、スバル、日産、マツダが走行性能の良い車を開発している。

 スバルは、「しなやか」な走行性能の良さを保有する。高級感のある乗り心地ながらステアリング操舵に対する旋回の反応の優れており、高速道路で運転しても安心感の高い、ストレスの少ない車である。

 日産は、高いボデー剛性や剛性バランスの考え方を導入している。日産車は「しっかり」、「すっきり」という言葉で表される。

 マツダはボデー剛性に重点を置かれた設計がなされている。リアの安定性よりステアリング操作に機敏に反応する旋回性能に重点を置いた車が多く、スポーティーな「軽快感」のある走行性能となっている。』

 

  今後の自動車の方向

 『将来石油などの化石燃料が枯渇するとどのような車に移行するかを考えると、採算性の悪いハイブリッド車は価格上昇の可能性があり過渡期の車と考えられるし、燃料電池車は量産性が悪いことや材料費の低減が見込めず、燃料の水素は化石燃料を分解して使わざるを得ないので、小さく軽量なガソリンエンジン車、ディーゼルエンジン車、電気自動車に移行するだろう。電気自動車は一回の充電の実走行距離の短いのが欠点で解決の必要がある。

 将来のエネルギー事情を考えると小型車になる事は必須で、小さな車の安全性の確保、衝突のしないことが重要である。』

 

 元トヨタ社員でありながら、他社の車を褒めている。トヨタの車の話が全く出てこない。経歴を見ると、2010年にGスポーツプリウス、Gスポーツヴィッツの製品企画を担当となっていましたので、この車が筆者の回答かもしれません。

 

 

 

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