ローラ・リー・ガーク 著 侯爵に甘いキスの作法
原題は ”Secret Desires of a Gentleman" です。作者はアメリカ人のようです。作風はアメリカ風です。
舞台は、1895年 ロンドン です。いわゆるリージェンシー物ではありません。
「マリア・マーティンゲイル」は、二十九歳のパティシェである。ロンドンのピカデリー大通りの交差点で、菓子店を開くのに最高の物件を見つけた。そして契約を結ぼうとした。下見をした店から出ようとした時、紳士とぶつかり、ハンドバックを落とした。その紳士は「フィリップ・ホーソン。ケイン侯爵」であった。十二年前の因縁の相手であった。マリアとフィリップは、料理人の娘と次期侯爵という関係であったが、幼馴染であった。
十二年前、フィリップの弟「ローレンス・ホーソン」とマリアは駆け落ち寸前に見つかった。フィリップはローレンスが駆け落ちしたら、今後一切金銭的な援助はしないと言い、マリアには今後ローレンスと会わないことを条件に、一千ポンドの小切手を渡した。
マリアが見つけた店は、今、フィリップが住んでいる家の隣であり、その店はフィリップの持ち家であった。-----
『公爵シルヴェスターの憂い』の方が優れている。
訳者あとがきによると、本書はローラ・リー・ガークの<独身女性シリーズ ”Girl Bachelor" >の第三弾だそうだ。本書と同じように、平民から、貴族の奥方になる話である。
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