昨日の海は

近藤史恵 著 昨日の海は

 

 大変面白かったです。

大江光介」は、四国の南側にある県(多分高知)の高校一年生である。田舎である。夏休み中のある日、母親「愛」が『明日、伯母さんが従姉妹を連れてくるから』と光介に言った。

『お母さんの姉さんよ』

『母さんに姉さんなんかいたの?』

『あなたが七歳の時に会ったよ』

『従妹っていくつ』

『八歳』

 こうして、二階に住むことになった母の姉「芹」と従姉妹の「双葉」との生活が始まる。

 この家は、芹と愛の両親の家であった。光介の祖父「庸平」は、高郷カメラ店をやっていた。今もそのころの機材がそのまま残っている。祖父が写した祖母「華子」のヌード写真が出てくる。大変な美人である。

 

 祖父と祖母は、母 愛 が十六歳の時に心中、無理心中したのである。姉 芹 が東京へ出て働き、妹 愛 を高校へ行かせた。愛は高校の同級生と結婚し、家に残ったのである。芹は、何故両親が無理心中したのか、どちらがどちらを殺したのかを知る為に帰ってきたのである。

 

 

 

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