山女日記

湊かなえ 著 山女日記

 

 七ッの山の登山日記である。主人公は毎回違うが、登場人物はほぼ同じである。

 デパートに勤める「江藤律子」は、初夏の催しでダナーの登山靴をひと目ぼれして、登山をしたことが無いのに、購入した。それを一年先輩の「牧野しのぶ」に見られた。牧野は父の影響で、小さい頃から登山をしていた。そして『妙高山』と『火打山』の縦走を薦められた。同期の「梅本舞子」、「芝田由美」の三人で出かけることになった。しかし、当日になって、舞子は熱が出たと欠席する。

 『火打山』では、「美津子」と「神崎秀則」が主役となる。二人はお見合いパーティーで知り合った。美津子は四十になっていた。美津子はバブルの残骸をまとっている。神崎は登山が趣味で、美津子の誕生日祝いにダナーの登山靴をプレゼントした。神崎は美津子を気遣って登ったが、美津子は大学の山岳部出身であった。

 『槍ヶ岳』では、「牧野しのぶ」が主人公だ。三度目の槍ヶ岳頂上を目指している。これまでは頂上に行けずにいる。一人登山である。大学三学部の一年先輩「大田永久子」さんがたびたび登場する。

 『利尻山』では、二人の姉妹が登る。「宮川希美」が妹で三十五歳、独身、「七花」という娘を持つ姉。希美は、登山帽をデザインしている「立花柚月」と大学時代の友人である。

 『白馬岳』では、姉が主人公となる。宮川希美と七花、そして姉が登山する。

 『金時山』では、梅本舞子が主人公となる。「小野大輔」と登る。

 『トンガリロ』は、ニュージーランド北島にある山である。「石田由美」がツアーコンダクターである。神崎夫妻、大田永久子と牧野しのぶのアラサー二人組、そして立花柚月が参加者である。

 

 登山をする人には、面白いかな。

 

 

 

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