真壁家の相続

朱野帰子 著 真壁家の相続

 

 私事ですが、最近、父が亡くなり、相続の真っ直中に居ます。本書は大変興味深かったです。この読書感想を書こうと、本書の『まえがき』を読みました。これまたとっても面白い。本書を読んだ人は、再度、この『まえがき』を読むべきであります。

 「真壁りん」は二十歳の公立大学、法学部の大学生で、寮で生活している。四十歳の母「容子」から電話があり、祖父が亡くなったから帰宅する様に言われる。母に、地元の駅前スーパーで喪服を購入する様に言われ、売り場で試着し決めた。店員に『相続の話し合い』をするのかと聞かれ、『自分だけは絶対に損をしない遺産相続の知識』を勧められた。りんは、『小さな家がひとつあるだけだから不要です』と言ったが、『そのうちに必要になります』と言われた。またアドバイスとして、『おじいさまの口座から葬儀費用を引き出しておくこと』を勧めた。

 しかし、翌日には購入することになるのである。

 真壁家は仲のいい家族であった。長男「陽一郎」とその妻「靖子」、長女「波子」、次女「風子」と内縁の夫「郷田さん」、りんの母「容子」とりん、りんの父「渓二郎」は、五年前に失踪して行方不明である。更に「植田大介」という居候が、突然、祖父の子供であると宣言する。これらの人が、少ない遺産を巡って争うのである。

 

 

 

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