闇に咲く(おいち不思議がたり -3-)

あさのあつこ 著 闇に咲く(おいち不思議がたり -3-)

 

 「おいち」は不思議な能力を持っている。父親は「松庵」といい、十年近く、深川六間掘町の菖蒲長屋という貧乏長屋で町医者をやっている。おいちが、苦しい、助けてと闇で叫ぶ声を聞くと患者来るのである。おいちは父親を起こすのである。

 おいちが五歳の春、流行病で亡くなった母の二つ違いの姉である伯母「おうた」が、いつもおいちの縁談を持ってくる。おうたは裕福な紙問屋に嫁いで二十年になるが子はなく、おいちを気にかけている。

 第一巻の『ガールズ・ストーリー』では、

 叔母おうたが持ってきた縁談の相手と会ったおいちは、その相手の後ろに、朧な影が揺れて、それが女の姿になつているのを見た。 そしてその元を突き止めて、岡っ引きの「仙五郎」と共に解決してゆく。 松庵の所へ、怪我の治療に来た「新吉」がおいちに懸想してしまう。

 第二巻『桜舞う』では、

 おいちの数少ない友人で、手習いのお師匠さんの所で知り合った、呉服問屋の娘「おふね」と、酒浸りの父親と妹たちの面倒をみている「お松」の話である。お松の実の兄と判る「田住十斗」が登場する。

 そして、本書第三巻『闇に咲く』では、

 小間物問屋の主「庄之助」が登場する。庄之助は、幼くして死んだ双子の妹「お京」が自分に取り付いていて、いろんな悪事を行うという。おいちは住み込みで解決に向かう。仙五郎と新吉が一緒に協力する。

 

 

 

✰✰✰

====================================================================

-===================================================================