隠蔽捜査

今野 敏 著 隠蔽捜査

 

 面白いです。これまで今野 敏の著作は読んだことがありませんでしたが、オール読物の三月号で、『防諜捜査』というのを読みました。そして、今野 敏の著作を何冊か図書館から借り出しました。これまで警察小説と言うジャンルあまり読んでいませんでしたが、最近は嵌っています。

 「竜崎伸也」四十六歳、東大卒、警察庁長長官房総務課長、階級は警視長である。当然エリート中のエリート、キャリアである。同期二十二人中、東大卒十五人、京大卒六人、私大卒は「伊丹俊太郎」一人である。伊丹と竜崎は小学校で同級生である。周囲からは、仲がいい親友と思われているが、竜崎は小学校時代伊丹の取り巻きにいじめられていて、いまだに反感を持っている。伊丹は警視庁の刑事部長である。 

 竜崎は、キャリア組として出世競争を強いられている。だから出世も大事だ。しかし、竜崎は官僚としての役割を果たしているかどうかの方が重要だった。

 綾瀬署で拳銃による殺人事件が起こる。被害者は1980年代の終わりに起きた、誘拐、監禁、強姦、殺人、死体遺棄事件の実行犯の一人である。続いて、埼玉県で殺人事件が起こる。被害者は綾瀬署で起きた殺人事件の被害者と同じ事件で逮捕され、服役していた実行犯である。捜査本部が置かれる。捜査本部長は、伊丹である。

 竜崎は、部下の広報室長である「谷岡裕也」警視正を指揮し、上司である「牛島陽介」警視監に報告する。

 竜崎の妻「冴子」が、予備校生である息子「邦彦」が煙草を吸っていると言い、部屋をのぞきに行く。邦彦はヘロインを吸っていた。息子には家から一歩も出るなと命じた。息子が麻薬を購入し、使用した。竜崎自身の今後にも関わる。今後の出世は望めない。警察庁を辞めないといけないかもしれない。娘の縁談も破談になるであろう。伊丹は隠蔽を薦めた。

 三件目の殺人事件が起こる。犯人は現職警察官であった。犯行を自供する。伊丹は警視庁からの指示で、隠蔽に動いていた。竜崎は隠蔽阻止に動く。

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 息子「邦彦」には自首をさせた。その影響で、竜崎は、大森署の署長に左遷される。

 

 

 

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