原題は、Anne of Green Gables です。
初めて読みましたが、やはり名作です。最近出た改訳版は評判が悪いようなので、昭和二十九年発行、昭和六十二年 七十八版の文庫本 村岡花子訳で読みました。
古典の翻訳物 特有の、人物の感情、心の動きを詳細に記述する、あるいは場面場面を丁寧に説明する所があります。これにより、より深く話に入って行けます。
六十歳になる「マシュウ・クスバート」は、Green Gables に、妹である「マリラ」と二人で住んでいる。二人は、野良仕事の手伝いに、十か十一歳の男の子を孤児院から貰うことにする。馬車で駅に迎えに行ったマシュウは、十一歳位の女の子が一人で待っているのを見て、放っておけず、家に連れて帰ることにする。帰路の馬車で、その少女はづーとしゃべり続けた。なかでもその自然の美しさには感動していた。その少女は、こんな美しい所に貰われてきて、とっても喜んでいた。
Green Gables に着いた時、マリラは、『マシュウ、男の子はどこにいるんです?』と叫んだ。いきいきとした顔をしていた女の子は泣き出した。女の子は名前を聞かれて「アン・シャーリー」と答えた。
その翌朝、アンは窓の外の景色の美しさにうっとりとしていた。
マシュウは、アンが気に入り、マリラもそのうちに気に入り、アンを置いておくことにする。アンは想像することが大好きな少女であった。そしておしゃべりであった。
アンにはものごとを冷静に受けとれということは、性格を変えろということになるだろう。全身これ『活気と火と露』のようなアンではあったが、人生のよろこびも苦しみもアンには三倍も強く感じられた。
物語の終わりでは、『あの子を育ててよかったじゃないか? マリラ』とマシュウは言った。『よかったと思ったのは、これがはじめてではありませんよ』マリラはやりかえした。
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