背いて故郷

志水辰夫 著 背いて故郷

 

 大変面白いです。著者の初期の作品、1985年10月に発行されています。私は、この著者は大好きな部類に入ります。しかしこれまで後期の時代小説しか読んでいませんでした。これからは、初期、中期の作品も読んでゆく積もりです。本書は購入しようとしましたが、絶版になっていました。再販して欲しいですね。

 主人公の名前がなかなか明らかにならない。「柏木 斉(さとし)」は、商船大学を卒業後、鉱石運搬船に乗り込んだが、海運不況と合理化で仕事が単調になり、船を降りる。その後、水産庁の外郭団体である水産監視船を経て、日ソ漁業協定操業指導協会で第六協洋丸という船の船長になる。しかしこの船をスパイ船にすることになり、柏木は船を降りる。後任に、商船大学で同窓の「成瀬恵司」を推薦する。柏木は、成瀬家とは家族同様の扱いを受けていた。成瀬からは、妹「早紀子」を貰ってくれと言われている。

 柏木はその頃、「諏訪優子」と付き合っていた。成瀬に優子を紹介したところ、成瀬はもうアタックし、同棲しだす。そんな時、成瀬は第六協洋丸で殺される。そして、柏木が、成瀬の墓を訪れるところから物語は始まります。

 

 手に汗を握る展開です。

 

 

 

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