秘事(ひじ)

河野多恵子 著 秘事(ひじ)

 

 著者の作品を初めて読みました。面白かったです。

夫婦の出逢いから、始まります。男性から見て、理想的な奥さんが描かれています。

話は時系列的に書かれているのではなく、年寄りの話のように、あっちへ行ったりこっちへ行ったりします。

「三村清太郎」と「木田麻子」は関西生まれの関西育ちで、地元の国立大学と女子大である。昭和三十年代の初めである。清太郎はかねて麻子に好意を持っていた。卒業の直前に、麻子は交通事故に遭う。片方の頬を七針縫う怪我をする。麻子は、決まっていた就職を辞退し、卒業式も欠席した。卒業後、半年で結婚するが、その際、清太郎は周りからは、彼女の顔の傷の事でいろいろ言われる。麻子自身も、それを引き摺っている様である。

  しかし、清太郎、麻子の次男「次郎」が結婚する日、次郎は『あの、ちょっと』清太郎は『うん、何?』。清太郎、麻子の前で、次郎は視線を低目にすると、『お二人は僕の最も大好きなご夫婦なんですよ』と一気に告げる。『そう』と麻子。清太郎は『次郎君。ありがとう』。傍から『ありがとう』と麻子。

 

 理想的な夫婦です。

 

 

 

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