警官の血

佐々木 譲 著 警官の血

 

 親子三代の警官の話です。「安城清二」は妻 「多津」が妊娠したので警官になることにする。警察練習所に入り、「香取茂一」「早瀬勇三」「窪田勝利」の同期を得る。そして警察学校を卒業する。昭和23年3月31日であった。安城清二は、昭和32年4月1日に、希望通り天王寺駐在所勤務となる。しかし、その年の7月に、駐在所の隣の五重塔が焼けた日に、近くの芋坂跨線橋から転落して死亡する。殉職扱いとはならず、多津が二人の息子「民雄」「正紀」を育てた。しかし父親と同期の三人の警官は、彼らを支え続けた。

 民雄は、高校卒業後、警官になるべく、警視庁警察学校に入学する。卒業の四ヶ月前に、成績優秀につき、学費、生活費支給で、北海道大学のロシア語科に入学するよう言われる。在学中に赤軍派に潜入捜査をする。その経歴と経験を生かして公安に七年いた。その間警視総監賞を二回受ける。しかしストレスと身分を偽って暮す生活に精神がおかしくなる。大卒扱いで外事課捜査員や、警察大学校を薦められるが断る。その後制服警官を十年続けたが、精神は十分に回復していない。

 窪田がガンで死ぬ前に、父 安城清二 がふたつの殺人事件について真相を調べていたことを話す。香取は、民雄の希望である父親と同じ天王寺駐在所勤務になる道を開く。ここまでが上巻です。

 安城民雄は、昭和61年10月、天王寺駐在所に配属になる。駐在勤務のかたわら、父が気にしていたふたつの殺人事件を調べる。そして意外な人物に気づく。その夜、民雄は再び精神がおかしくなり、立てこもり犯に射殺される。

 民雄の息子「和也」は叔父 正紀 の援助で大学を卒業し三代目の警視庁警察官となる。和夫も、祖父の気にしていた殺人事件を調べる。

 

 長い小説です。筋書きに無理な所、説明十分でない所がある様に感じます。

 

 

 

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