上田秀人 著 遺臣 （百万石の留守居役 -4-）
筆者の文庫本書下ろしシリーズの中で、一番面白いと思う。筋書きの展開が興味深い。これで、筆者の悪癖である、「繰り返しが多い」、「一度書いた事を何度も繰り返し書く」が無ければもっと良くなる。本書では、この悪癖がまだ少ない。講談社に対する思い入れがあるのか、編集者が優秀なのか、どちらでしょう。
本書は文庫本を購入しました。まだ発売直後です。
加賀藩前田家の江戸留守居役となった「瀬能数馬」は留守居役の修行中である。将軍「家綱」が亡くなり、「綱吉」が次期将軍として西の丸に入る。綱吉擁立に動いた老中「堀田備中守正俊」に権力が移りかけている。元金沢藩留守居役であった「小沢兵衛」は、悪事を働き逃亡したが、今は老中堀田家の留守居役を勤めている。大老「酒井雅楽頭忠清」は、御広敷伊賀者に『加賀藩がやったと見せかけて、綱吉を暗殺する』様に命じる。瀬能数馬は、小沢兵衛と面談するように命じられる。
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