モーツァルトとレクター博士の医学講座

久坂部 羊 著 モーツァルトレクター博士の医学講座

 

 標題に惹かれて借りる。

筆者は外科医、麻酔科にもしばらく所属、外務省に入り、日本大使館の医務官で海外赴任、その後デイケアのクリニックを経て、現在は在宅医療のクリニックに勤務し、医療小説を書き、福祉系の大学で講義をしている。講義ノートの一部を読み物風にアレンジしたのが本書。 各臓器を順に箇条書きで、まつわるエピソードと共に記述している。

 

 しゃっくりの止め方

思い切り息を吸い込んで、十分に横隔膜を押し広げておいてから、一気に息を吐いて、横隔膜を急激に弛緩させる。「全身麻酔では、気管チューブ入れて人工呼吸をします。手術が終わりかけると、人工呼吸器をはずして、呼吸バックを手で押します。麻酔が浅くなると「バッキング」といってしゃっくりと同じ現象がおこります。それを止めるときに、呼吸バックを長く押して肺に空気を十分に溜め、一気に吐き出させると、横隔膜が緩んで、バッキングがおさまります。一回で止まらなくても、何度かやれば止まります。しゃっくりを止めるのも、これと同じ方法を使うわけです。」

 聴診器で何が聞こえる?

医師は聴診器で何を聞いているのでしょう。「呼吸音」と「心音」です。呼吸音は聞いても役に立ちません。早期発見など出来ません。

 

 

 

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