すかたん

朝井まかて 著 すかたん

 

 面白いです。

大坂の商家を、江戸からきた 智里 の目を通して描いている。

 智里 の亡き夫、三好数馬は美濃岩村藩の江戸詰め藩士で、文化三年、藩主、松平乗保公の大阪城代赴任に伴って上屋敷御側用人のお役を頂戴した。妻子同伴を許されたのだが、数馬は大坂のお勤め一年ほどで俄かに病を得てなくなったのである。初七日をすませたばかりの智里は生家に帰るように告げられる。数馬の同僚の世話で長屋に住まいを定め、手習いの師匠をしながら暮らして一年経ち、喪が明けた。

 しかし、手習いの師匠をしくじり、馘になる。大家からは家賃の督促をされる。たまたまそこに来た、家主である 河内屋の若主人の口利きで、お家さん(女主人)の上女中として住み込みで働きはじめる。「商家では、仕事が一人前になるまでは給金は戴けまへん」といわれる。

 河内屋では、屋敷裏の二十坪の畑は代々、御寮人(若女主人)が世話をするのがしきたりであるが、智里はそれを知らずに、畑仕事をするように言われる。

 

 「大坂者は、食べ物をさん付けで呼ぶことがある。油揚げをおいなりさん、いなり寿司をおいなりさん、豆もお豆さんだし、お粥はおかいさんである。」私もそう呼んでいます。

 

 

 

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