月に捧ぐは清き酒-鴻池流事始-

小前 享 著 月に捧ぐは清き酒-鴻池流事始-

 

 1571年に 山中新六 は生まれる。両親の顔は知らない。父親は尼子家に仕えた山中鹿介 である。叔父の信直に育てられる。信直は荒木村重に仕えていたが、宮仕えに嫌気さし隠居していた。そして摂津伊丹の鴻池村に落ち着いた。新六は武士として教育をほどこされた。 天正六年(1577年)父親 鹿介が戦いに敗れ死する。

鴻池村が戦場になる。近くの有岡城へ避難した。そして戦場の悲惨な状況をつぶさに見た。この戦いの最中に 信直は病死する。死に際して「血筋にこだわらず、お前の好きなように生きよ」、「幼馴染の はな と祝言をあげろ」と言われる。

新六は武将になる道を捨てて、商人として生きる。新右衛門と名乗る。鴻池屋、鴻池家の始祖である。

三代宗利の代には、新田開発に乗り出し、河内国に鴻池新田を開く。

 

 

 

 ✰

===================================================================

===================================================================