死もまた我等なり

ジェフリー・アーチャー 著 死もまた我等なり  クリフトン年代記 第二部

 

  第一部同様、それぞれの視点から描かれているが省略

 トーマス・ブラッドショーと名乗って逮捕されたハリー・クリフトンは、ブラッドショー家の意向を受けたニューヨーク一の敏腕弁護士ジェルクスに引っ掛かり六年の実刑判決をうける。刑務所に入ったハリーは掏摸で捕まったパット・クィンから刑務所での過ごし方を教えられ実行する。副図書室係になったハリーは日記をつけだす。図書室係のマックス・ロイドはハリーの日記に大変興味を持ち、日々更新される日記を読みたがった。

 エマは息子セバスティアン・アーサー・クリフトンを祖母メイジー・クリフトンに会わせる為、メイジーの家を訪問する。そこで紛れもなくハリーの筆跡で宛名が記された手紙を見つける。手紙は開封されていなかった。トーマス・ブラッドショーからの手紙であり、ハリーの死が確認されるだけなのでメイジーは読みたくないのだ。エマが読むことも許さなかった。エマは自宅に帰って再度ハリーの筆跡を確認し、ハリーは生きていると確信した。トーマス・ブラッドショーが救助され、ハリー・クリフトンが死んだとされるカンザス・スターの船医により詳細な話を聞くために客船乗務員になるため、メイジーの店で一か月の訓練をする。(エマは毎朝四時半に執事が寝室のドアをノックしてくれ、五時四十五分にロールス・ロイスの運転手が従業員入口の百ヤード手前まで連れていってくれたおかげで一度も遅刻しなかった。)案内係として乗船した船の船医は後任に代わっていた。ハリーを助けた看護婦の名前と住所がわかった。ニューヨークについたエマはその看護婦に会いに行く。そこでトーマス・ブラッドショーは兄弟殺しで逮捕されたの知る。そしてハリーは死んだと確信した。

 ジャイルズ・バリントンはハリーが死んだと聞き、軍隊に志願する。そこでバリントン家に出入りしていた肉屋のテリー・ベイツと知り合う。ジャイルズは少尉となり、最後の休暇を自宅で過ごす。ここで母エリザベスは、ハリーが死んで、一族の相続者はジャイルズになる筈であったが、エリザベスが息子を産んだ為、その息子セバスティアン(ジャイルズの名付け子)に相続権が移ることを言う。

 マックス・ロイドが刑期を終えた時、彼はハリーに引き続き日記を読みたいので読みたいと申し出た。ハリーはノートがいっぱいになると送り、一週間後には返送されてきた。真珠湾攻撃がはじまり、日米が開戦した。陸軍の将校が来て、落下傘にて敵後方に降下し工作する部隊に参加しないかと提案され、パット・クィンと共に応募する。トーマス・ブラッドショーから、ハリー・クリフトンと変名する。

 エマはその時、自由の女神を背にしたハリーの写真を見つける。看護婦が刑務所に面会に行こうとしたが、弁護士ジェルクスに止められたと話した。

 エマは弁護士ジェルクスに面談にゆくが、利害の衝突があるので会えないと言われる。エマはハリーに面会に行こうとするが、弁護士ジェルクスが止めていて面会できない。エマは街角にマックス・ロイドが書いた「ある囚人の日記」の著者サイン会の案内を見つける。エマはその本を読み、著者はマックス・ロイドではなく、ハリーだと確信する。エマはサイン会の後、ロイドを誘い出し、彼を脅し、発表されていない部分を知る為に、明日弁護士ジェルクスの事務所フロアーに、ノート全部を持参するように言う。ロイドは弁護士ジェルクスを雇い、ロイドはエマを脅迫する。

 ジャイルズ・バリントンはアフリカに来ていた。そこでロンメルに攻められ負傷し気を失う。ドイツの捕虜収容所に入れられる。負傷が治り、脱出計画を練り、テリー・ベイツと共に脱出する。ジャイルズはスイスへ脱出するが、ベイツは銃撃されてしまう。

 以上が上巻です。

 

 ハリーとエマの結婚式が中止に時、逃げ出したヒューゴーバリントンは、ロンドンで暮らしていたがすぐにお金がなくなった。ポーランドから逃れてきたユダヤ人女性 オルガ・ペトロフスカを結婚をちらつかせ誑し込み同棲していた。さらに金が必要になり友人 トビー・ダンステイブルにオルガの宝石泥棒の手助けをし、一万ポンドを得る。ある朝、新聞で父親サー・ウオルター・バリントンが死んだのを知る。ヒューゴーバリントン家の当主となつた。

 息子ハリーを亡くしたメイジー・クリフトンは、レストラン部門の部長になった。魅力的な彼女は、駐屯しているアメリカ軍人や、以前付き合っていたアイルランド人から求婚される。彼女はさらに、ホテル副支配人になるよう言われ、雇用条件を渡される。しかし彼女は字が読めなかった。彼女は決心し字を習い始める。先生はハリーの恩師であるミスター・ホールコムである。彼女は読み書きが完全に出来るようになる。

 エマ・バリントンは、祖父の妹でニューヨーク在住のフィリス大叔母を頼る。街の騒音さえなければエジンバラにいるのと錯覚するような建物と内部であった。最初のディナーの時、フィリスの息子で弁護士をしているアスステアを紹介される。アメリカ流の率直なもてなしのせいで、自分の母親にさえ打ち明けてないことまで、残らず明かした。アスステアの力を借りて、「ある囚人の日記」を出版した出版会社ヴァイキング・プレスを味方につけ、弁護士ジェルクスと対決する。そしてハリーは今は刑務所には居らず、参戦していることをエマは知る。

 ヒューゴーバリントンは、バリントン海運の会長になる。彼は事業に失敗した。有り金を持って逃げる途中で逮捕された。友人トビーが捕まった為であるが、トビーは父親と面会した二時間後に命を絶つ。ヒューゴーは釈放される。彼は、ハリーが母に書いた手紙を盗み、ハリーが生きていることを知り、手紙を焼却した。オルガが面談に来て、揉みあいになり、ヒューゴーはオルガに殺される。オルガはヒューゴーとの娘を残し鉄道自殺する。

 弁護士ジェルクスと対決した、エマとヴァイキング・プレスのギンズバークは完全な勝利を得る。印税の前払い二万ドルとミセス・クリフトン宛の一万ドルを得る。さらにハリーはヨーロッパに居ることを知り、飛行機で帰国する。

 ハリーはクウィンと共に大きな手柄を立てたが、その直後ジープが地雷を踏んだ。めざめたハリーの傍にはエマがいた。そして二人の息子セバスティアンと初めて会った。母親メイジーは、ハリーの恩師であるミスター・ホールコムと結婚していた。ハリーは「囚人の日記」と次作であるそれ以前の最初の日記がベストセラーになっているのを聞き、エマの薦めで、小説を書くことにする。

 ヒューゴーが死んで、ハリーも死んでいると思われたとき、ジャイルズを一族の長として、バリントン一族と母方の祖父であるハーヴェイ一族を一つにまとめていた。これに対してハリーは異存ありませんと答えたが、ハリーの小説の為に、世間ではジャイルズとハリーの対決となり、どちらが相続するのかを、議会で評決することになつていた。演説して待機していたハーヴェイ一卿が倒れる。

 以上が下巻です。

 

 

 

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