潮鳴り

葉室 麟 著 潮鳴り

 

 本書は「蜩ノ記」の続編と思い込んでいたが、違いました。豊後羽根藩が舞台であると言う事と、出版社が祥伝社で同じというだけです。内容は面白いと思います。

 

 伊吹櫂蔵は、不始末を犯し隠居させられ、海辺の漁師小屋で酒におぼれていた。家督は腹違いの弟 新五郎にを譲られる。新五郎は新田開発方の奉行並にとりたてられるが、切腹をして果てる。新五郎は天領 日田の代官所御用達商人から藩政改革のための金を用立てしてもらう交渉を命じられ、交渉し半年後五千両を借り出した。しかしこの金は江戸表に運ばれ消費され、借りた金の返済の目途が立たなくなり責任を取ったのである。

 新五郎の上司であった勘定奉行が漁師小屋まで来て、弟に代わり、今一度家督を継ぎ、新田開発奉行並として出仕せよとの領主の内意を伝える。櫂蔵はこの再登用には裏があるのではないかと考え、酒をやめ、節制し、弟がしようとしていた事を成し遂げようと決心する。----

 

 

 

 

=====================================================================

=====================================================================