雪曲げろ

宇江佐真理 著 雪曲げろ(古手屋喜十 為事覚え-2-) 

 

 父親が病死してから「新太」は、十四歳でしじみ売りをしている。母親は貝の剥き身を拵えて家族を養っている。だが生まれたばかりの「捨吉」を捨て子にしようと考え、新太に捨てに行くよう言った。新太は何としても育ててやろうと思ったが、母親は聞く耳を持たなかった。新太は、しじみ売りをする時に見つけた親切なおかみさんのいる古手屋「日之出屋」の前に捨て子をした。新太はしじみ売りをするついでに様子を見、大事に育てられていて、安心していた。捨吉が弟と一緒に買い物に来たことから素性が割れてしまった。日之出屋の主人「喜十」は捨吉の兄弟とは関わりたくなく、日之出屋には来るなと釘をさした。兄弟は恨む様子もなく素直にしたがった。

 新太の母親は捨吉を捨て子にしようと考えた辺りから、微妙に歯車が狂ってしまった。三人いる妹の一番上、「おてる」を売ってしまい、貝を剥かなくなり、昼から酒を飲みだした。

 ある日、母親に捨吉の捨て子した所がばれてしまう。母親は「わたしもその古手屋に行って、何か見繕ってこようかね。捨吉の母親といえば悪いようにしないはずだ。ついでに幾らか何かして貰えれば御の字なんだ」と言った。新太は激情に駆られ、母親の首を絞め殺してしまう。そして大川に身を投げて死んでしまう。----

 

 日之出屋の主人「喜十」を中心とする物語です。

宇江佐真理の小説は大好きです。ほろっとさせられる所が。シリーズは違いますが、髪結い伊佐治捕物余話は特に良いと思います。愛読しています。

 

 

 

 

 

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