原発ホワイトアウト

若杉 冽 著 原発ホワイトアウト

 

 考えさせられる内容です。恐らくここで書かれているのと同じことが起きているのでしょう。電力会社の力、国家権力のすごさ等です。

 昨年秋、自民党幹部を含む130人以上が参加する議員連盟が、原発の新設や増設を提言する方針を固めるというニュースがありましたね。原発事故の総括が終わっていない段階で、再稼働を飛ばして、新設を言い出すとはなにかおかしいと思っていましたが、この本を読むと背景がよく判ります。

 

 総括原価方式に基づく電気料金から生まれる兵糧、すなわち電力会社から発注される業務は、世間相場より、二割程度割高になっている。このうちの一割五分はそのままとし、残り五分を預託金として取引会社より受け取る。電力会社が自由に使える金となる。この預託されたうちの二割が、日本電力連盟に再委託される。この金額は400億円である。公共事業への国家予算の分配がゼネコンの集金集票との見合いであること、診察報酬の改定が日本医師会の集金集票との見合いであることと同様に、総括原価方式の下に生み出される超過利潤は、裏の集金システムとして、日本の政治に組み込まれている。

 このお金がどのように使われるか具体的に書かれている。例えば、選挙直後に落選議員を回り再選可能性のある元議員には職のあっせんをする。

 原発再稼働反対のデモをどのように抑えてゆくか。

 再稼働反対の知事をどのように陥落させるか。

 

 総理と検事総長の関係にも言及している。小泉総理と検事総長の秘話とも言うべき事柄が紹介されている。村上正邦参議院議員のKSD事件、大阪高検公安部長の三井環、外交官の佐藤優鈴木宗男田中真紀子の公設秘書、橋本派の村上兼造、六人もの政敵が、小泉総理在任中に検察により屠られている

 

 

 

 

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