領家高子 著 清遊
2008年東京墨田区のとある一画、二十坪に満たない二階屋の木造の古い家の一軒に、溝口父娘のふたりが引っ越してきた。それから数年後、父 恭平が脳梗塞で倒れた。娘 さよはひとりで介護している。ある日、偶然に、さよは近所の予備校生 モトと出会いプールに泳ぎに行き、その帰りにホテルへ行く。そこで彼女は、恭平は58歳で、さよは26歳であり、恭平は父ではなく愛人であると告白する。
彼女は、理由も告げず、探さないでと書き置きひとつで出奔していた。その時溝口恭平の手がかりとして、裏面に大正十五年「清遊」を墨書きされた恭平の古い写真を自分のアルバムにはさんで家を出ていた。
彼女の両親 信行、ゆかり は娘がいなくなってから、数年後、自宅を和装店にし、八ヶ岳に別荘を建ていた。ホームページを立ち上げて、このトップページにこの写真が載せられていて、その名前は「清遊」になっていた。
この写真を基にして物語は大きく動く。
八ヶ岳で、尊敬する先生を囲んだ四人の学友たちの写真である。
信行
┣━━━━━━ さよ
内村賢 ━ ゆかり(たきの姉)
仁平 ━ 芹沢恒平
先生 ┣━━ 溝口恭平
┣━━━ 母(瑞穂) ┣
祖母 亡き妻(たき)
┣
中国人の祖父
面白いと思います。領家高子の他の作品も読んでみたい。
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